アレルギー反応               

 ▼牛乳を飲む食文化▼

牛乳の発酵物を食べる食文化は、
多くの日本人には、始めはなじめなかったようである。
牛乳の発酵物より直接生牛乳を飲むほうが歓迎された。

一つには、学校給食で牛乳を飲む政策が関係している。
いずれにしろ、牛乳をゴクゴク飲む事が定着して、
現在でも、スーパーの牛乳の売上は、
安定し続いている。

ところが、アメリカの研究者が、
「何で日本人はやたら牛乳を飲むのか」とけちをつけた。

栄養満点と信じている牛乳にけちをつけられては
生産者の酪農家は黙っている事はできないであろう。

牛乳には、カルシウムやその他のミネラルも含まれており、
大変優れた食品として受け入れられている。
何が問題か?
良質のタンパク質が多く含まれているのに。
など強い抗議の声があがりそうである。

ところがこの良質のタンパク質に問題がある。

タンパク質は、
アミノ酸が次々と結合した高分子状態になっている。
従って、牛乳に含まれるタンパク質も高分子ということになる。
もちろん加工食品として利用されている牛乳も、
発酵されていない場合は高分子状態になっているはずである。
この高分子が問題の出発点である。


すでに説明したように、私たちの腸内では、
高分子のタンパク質をプロテアーゼという酵素で
低分子化する仕組みになっている。

アミノ酸やアミノ酸が数個つながったペプチドに消化して
体内に吸収するためである。
しかし、プロテアーゼによって消化(分解)する
タンパク質の量には、当然限界がある。

低分子化できなかった高分子のタンパク質は、
腸内の悪玉菌によって、腐敗発酵される。
これは腸にとって好ましくない。

こうした事が何度も繰り返されると、
私たちの体のシステムは、
原因となるタンパク質に対し拒絶反応を示してくる。
すなわち、特定タンパク質に対する
アレルギー反応である。

「牛乳は、発酵により低分子化して食品に利用するほうがよい」
アメリカの研究者は何度も繰り返した。
そして
「日本人はやたら生牛乳を飲みすぎている」と
力説している。


今まで多くの乳製品メーカーや酪農家から
「牛乳は栄養価が高いから」と説明を受けていた。
しかし、
生の牛乳を飲むと消化不良が発生するとの
説明には驚きであった。

しかし、この指摘には納得が出来る。
牛乳に含まれる消化不良のタンパク質は、悪玉菌の餌になる。(納得)
悪玉菌の餌になることは、腐敗発酵につながる。(その通り)
そんな状態が何回も続くと、
体内で拒絶反応のメカニズムが発生する可能性が出てくる。(納得)

生牛乳の飲みすぎ、生牛乳利用の食品の食べすぎは、
アレルギー反応につながる。
なるほどとおもう。

「だから、日本の子どもの中に、牛乳アレルギーが増えるんだ」
この結論にがくぜんとし、全く反論できない。


牛乳アレルギーで苦しむ子どもたちに接してきたが、
本人と家族の現実的な苦しみは、
とても大きく文章では表現できない。
ありとあらゆる場所で、本人の自由は制限されてしまう。
肉体的苦痛以上に、精神的な負担が重くのしかかっているが、現実である。
その重荷は共に家族が背負っている。


多くの子供たちが牛乳アレルギーで苦しんでいる事実が存在するが、
その事実を
「データーがない」「証明されていない」「よく分からない」
そして、イツモノパターンで、
「危険が証明されていないから安全である」
と決着してしまうのだ。

サリドマイド事件のときも、
水俣病のときも、
血液製剤によるエイズ感染のときも、
全て子どもたちが犠牲になったままであり、
放置され続ける悔しさばかりが残る。
同じ歴史が繰り返される、一日も早く何とかしなければならない。
地球の環境、体の環境を改善するために、
私たちは知ってほしい。いや、知る必要がある。

高分子のこと、低分子化のこと、
タンパク質のこと、腸内細菌のこと、
そして、アレルギー反応のことを・・・・

我々は、知らないから危機感を感じない、危機感をもてない
「難しいことはよく分からない」と避けるのは、
大罪に等しいし、
本当に子どもたちを愛するなら、
地球の未来に希望を託すなら、
私たちは、まず知ることであり、学び続けることである。

しかし、忘れてはならないことは、
「牛乳は危険だ」という
全面否定パニックを起こしてはならない。
牛乳は食品として優れている。
問題は、過剰に飲んだり食べたりすることにある。
どこまでが過剰か、どの程度が適切か、
科学的な判断は難しいが、これは我々に課せられた
大変大きな課題であり、
いつの日か解明しなければならないであろう。


それにしても、牛乳問題に対して我々はあまりにも無知であった。
よく考えれば、牛の乳が人間にとって、絶対的食品ではないはずだ。
母乳なら、人間にとってうまく吸収が出来るような
メカニズムになっているはずである。

モンゴルの草原では、羊の乳は発酵して利用するのが普通であり、
ヨーロッパでも山羊や羊、牛の乳は発酵利用が常識である。
こうした世界の食文化に学んでみても
牛乳は発酵食品として、利用するほうが良いということになる。

乳製品メーカーでも、牛乳を出来るだけ低分子化して
利用する研究が続けられている。

私たちは、こうした研究や、研究結果を理解できるだけの
科学的基礎知識を身につけておく必要がある。


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