不老の医学(老化防止)

不老不死は人類の願い



病気にならず天寿をまっとうする、
その人は「老衰で亡くなった」といわれます。
病気にならなくとも、人は必ず死を迎えます。

あなたは何歳まで生きたいですか?
80歳? 100歳? それとも120歳でしょうか。
もしかしたら200歳まで生きたいと思う方がいるかもしれませんね。
しかし今のところ、120歳以上生きることは不可能なようです。

人は誰しも「ある程度長生きしたい」それも寝たきりでなく
「自分のことは自分で出来る元気な状態で生きたい」と願うでしょう。

不老不死は古来から人類が目指してきた、
最も困難な課題でした。
この人類共通の願望をかなえるべく、
不老不死の医学(抗老化医学、抗加齢医学、アンチエージングメディシン)が、
ここ数年間に急速に研究され始めました。

しかし不老の医学は研究が始まったばかりで、まだよくわかっていません。
ある程度の結果が出るまで待ってはいられないので、
現時点での抗老化の医学を紹介してみたいと思います。


細胞の老化と内分泌機能


人間の細胞は、同じ細胞がそのまま生きているわけでなく、
何度も分裂して再生を繰り返していきます。

たとえば、あなたが15歳のときの胃と、
50歳になったときの胃とでは、
それを構成している細胞は、別な細胞なのです。

細胞が分裂・再生をするときに、
新しく出来る細胞が元の細胞と同じであれば良いのですが、
年齢と共に老化した細胞に変化していきます。
これを細胞の変性といいます。

細胞が変性すると、組織や器官の機能が低下したり、変形が起きたりします。
すなわち、これが老化です。
では、この細胞の変性を止めるか、あるいは若返らすことが出来れば、
老化防止が可能になるわけです。

人は加齢とともに、内分泌機能(ホルモン分泌機能)が低下します。
女性ホルモンも、閉経を迎えるとその分泌が急激に減るため、
女性らしさが失われ、老化が進むといわれています。


DHEAと老化の関係

最近の研究で、40歳をこえるとデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)という
ホルモンと成長ホルモンの分泌が減少し、
体の諸器官の働きも衰え老化し、病気が起こりやすくなります。

DHEAや成長ホルモンは、バイオテクノロジーの技術で、
人工的に合成することが可能です。
そこでこれらのホルモンを補い老化を遅らせる試みが、
アメリカを中心に研究されています。
もともとDHEAは副腎や脳などで作られ、
体内で最も量が多いホルモンです。
しかも体内で他のホルモンに変換されることがわかっていて、
健康であるためにも非常に重要であることも明らかになっています。

このホルモンの血液中の値は、男女ともに
45歳では20歳のときの半分まで低下します。
そして、最近では男性の更年期が現れ始めています。
原因は、男性ホルモン(テストステロン)が足りなくなることと言われていますが、
このDHEAにも大きな関係があるのです。


DHEAは究極の長寿薬??

DHEAは免疫機能を正常に維持するは働きが証明されています。
ナチュラルキラー(NK)細胞を活性化し免疫を高め、
がんや感染症、リウマチなどの自己免疫性疾患を改善します。

ホルモン研究に第一人者で、バージニア医科大学の
ウィリアム・レゲルソン博士は
「DHEAはスーパーホルモンの中のスーパースターである」
とまで述べています。
また博士は、
「DHEAは人の肉体年齢を示す、最も有力な生物学的指標である」
とも述べています。

DHEAが低いと心臓病などざまざまな原因で
死亡する確率が高くなることがわかっています。
したがって、DHEAを測定すれば、
病気になりやすいか、どれくらい生きられるかを
判定できる可能性があります。
また、DHEAを補充すれば、
病気を予防でき、寿命を延ばすことが出来る可能性もあります。


DHEAのサプリメント

DHEAは、日本ではまだ製造されていませんが、
海外ではドラックストアや健康食品店で売られています。
私は、DHEAサプリメントを個人輸入し、使っていますが、
その結果は、「脂肪が減る」「動くことがおっくうでなくなる」
「疲労感が少なくなる」「精神的に若返ったような感じがする」
というようなことが感じられています。


成長ホルモンと老化


DHEAと同じく、成長ホルモンも加齢とともに分泌が著しく減少します。

成長ホルモンには、
@ 糖と脂肪の代謝調整
A たんぱく質の合成
B 細胞分裂の促進
などの働きがあり、
子どもの成長にはなくてはならないホルモンです。

成長ホルモンが減少すると、
@ 脂肪がたまる
A 筋肉が減る
B 骨が弱くなる
C 皮膚にしわが増える
D コレステロールが増え動脈硬化が促進され、高血圧や糖尿病や心臓病が起こりやすくなる
E 免疫機能が低下する
などといった、まさに老化現象そのものが引き起こされます。

したがって、ホルモン療法の補充の研究者や臨床医は
「成長ホルモンを補充すればこういった老化現象が予防でき、
場合によれば、時計の針を戻すように
若返りを実現することも可能である」と
考えています。

欧米では、かなり以前から成長ホルモンによる
老化防止の試みが行われています。
成長ホルモンの注射は、非常に高価でですが、
若さを保ちたい女優や老齢の実業家など、
一部の人たちに使用されていて、
その効果が確かめられています。

一方、海外でミネラルやアミノ酸で出来た
成長ホルモンの分泌を促進する
製品が製造され、安価であるところから、
成長ホルモンの補助として使用され始めています。


成長因子の働き

近年、海外では、各種の成長因子を含む画期的な製品が
製造販売され、大変注目されています。

成長因子とは、脳下垂体から分泌される成長ホルモンの作用により、
肝臓などで作られる物質です。
そして最近の研究で、この成長因子には、
インスリン様成長因子、神経成長因子、変換成長因子、
線維芽細胞成長因子、表皮成長因子など
いろいろな種類があることがわかってきました。

「成長ホルモン」「成長因子」を少し整理してみましょう。
順を追って説明します。
@ 「成長ホルモンが分泌される
A 成長ホルモンの働きを受け「成長因子」が分泌される
B 「成長因子」が人体のあらゆる組織や臓器に働きかけ
その細胞分裂を促進する
このようになります。
つまり、
「古い細胞を新生するために、成長因子が大きな役割を担っている」
このように考えられています。

こうした流れのなか、海外で興味深い成長因子の
サプリメントが販売されている。
原料として、鹿の袋角や牛の初乳を用いて、
多種類の成長因子を含有している製品である。
成長ホルモンではなく、
組織の新生に直接働く成長因子を使っていること、
注射する必要がなく、使いやすいものであること、
これだけでも素晴らしいアイデアの商品です。


成長因子の作用と副作用

成長因子を補充したときの効果は
@ 骨密度を高め、筋肉を増加させる
A 脂肪組織を減らす
B 関節障害を改善する
C 皮膚や毛髪を若返らせる
D 眠りを深くする
E 性欲を昂進させる
F 運動能力を高める
などです。

副作用とされる点は
@ 使用量が多すぎると末端肥大症の可能性がある
A がんの増殖を促進する可能性がある
などで、

成長因子はDHEAほど安全性や安定性が確立されたものではありません。
そのため、各個人の適量を決めるには、血液中のホルモン濃度を測定し、
効果を客観的に判定する必要があるので、医師の指導を受けるのが良いでしょう。



老化防止の薬草

ホルモン補充という新しい方法だけでなく、
古くから利用されてきた栄養素と薬用植物の中にも、
老化防止の効果があると考えられているものがあります。

今でも使用されている代表的なものをいくつか紹介します。

伝統医学の中心である中国では、
古来より多くの妙薬、珍薬が作られ使われてきました。
今でも使用されている代表的な薬用植物を紹介します。
これらは、強壮薬と呼ばれ、
「体力の衰えを回復させる」「免疫力や抵抗力を向上させる」
「慢性疾患の治癒を促進する」「精力を増強する」ものとして
昔から珍重され、愛用されてきたものです。
作用のメカニズムは解明されていませんが、
強壮性の植物には、病気を予防し、体力を保持し、
寿命を延ばす効果があるといわれています。


ニンニク
どこでも手に入る大変ポピュラーな薬味あるスパイスですが、同時に強壮薬でもあります。
ニンニクの中には、有効成分が多く含まれています。
@ 感染症の治癒を助ける
A コレステロールを下げて動脈硬化を予防し、高血圧を改善する
B 発がん性物質から体を守る
これらの作用があり、ニンニクを食べると精力が増し、元気が出ます。
  
ショウガ
ショウガもニンニクと同じように、多くのッ料理に使われるスパイスです。
ショウガにも多くの薬効成分が含まれています。
@ 生体エネルギーを高め、冷えた体を温めます
A 消化機能を助け、胃の不快感や吐き気を和らげます
ショウガは炎症を改善し、免疫機能を高めて病気の治癒を促進する成分を含有することが
わかっています。
  
チョウセンニンジン
チョウセンニンジンはウコギ科の植物で、有名な強壮薬です。
中国や朝鮮では古くから精力を保つため重宝されてきました。
しかし、薬効の強い本物は希少で高価なため、偽者や品質の悪いものが多い現状です。
チョウセンニンジンと同じウコギ科の薬用植物には、
エゾウコギ(シベリアニンジン)、アメリカニンジン三七ニンジン(中国の薬用ニンジン)があります。
これらの植物に関しては、多くの研究データーがあります。
ストレスに対し、抵抗力を増強し、免疫力を向上させます。
 なお、チョウセンニンジンは血圧を上げる作用があるので、高血圧の人は注意が必要です。
  
ツルドクダミ
ツルドクダミは阿首鳥(かしゅう)とも呼ばれ、老化防止と若返りの秘薬として使用されてきました。
白髪を黒くする効果もあると信じられています。
@ 体力が増強する
A 記憶力、思考力が向上し、若返ってくる
B 性的活力が増強する、女性の妊娠能力が向上する
C 呼吸器の炎症を和らげ、胃の調子を整える
  
冬虫夏草(とうちゅうかそう)
冬虫夏草はヒマラヤガの幼虫に寄生する珍しいキノコです。
中国では1800年以上前から使われてきたチョウセンニンジンに匹敵する強壮薬です。
@ 心肺機能を高め、狭心症、不整脈を改善する
A 喘息発作を軽くする効果がある
B 筋力、持久力を強化する
C 性欲を昴進する作用がある
D 抗菌作用や抗がん作用がある
以前、中国の陸上競技選手たちが、中距離で次々と世界記録を更新し話題のなりました。
選手たちの記録向上のために使用したのが、この冬虫夏草であったといわれています。
山登りや水泳などをするとき、事前に飲んでおくと心臓が楽に感じます。
  

いずれにせよ効果のメカニズムについては、まだ研究が必要ですが、
少なくともこれらの有薬用植物は、
高齢者の若さを保ち、病人を元気にし、
生活の質を向上させてくれることは間違いないでしょう。
どれが良いかは、個人差がありますからいろいろ試し、
自分に適していると思うものを見つけてください。

活性酸素のところで説明したOPC(オリゴメリック・プロシアニジン)と、
栄養素のところで取り上げたオメガ3も、
広い意味で老化を遅らせる栄養成分といえます。

いずれも、動脈硬化やがんなどの生活習慣病を
予防する効果が大きいので、
これらを長く飲み続けることで、
体内が活性し、寿命が延びることは間違いないでしょう。


補酵素Q10も老化を防止

活性酸素で少し触れた補酵素Q10(コエンザイムQ10)も、
老化を防止するサプリメントとして注目をされています。

もともと補酵素Q10は体内で生成される物質で、
細胞内のミトコンドリアがエネルギーを作り出す働きを補助します。

補酵素Q10は年齢とともに減少し、
そのため老化の加速させます。
補酵素Q10には抗老化作用のほかに
@心臓の筋肉の収縮を助けて心不全を改善する
A免疫を向上させ、乳がんの進行を遅らせる
B歯周病を改善する  C高血圧症の血圧を下げる
D活性酸素を除去する などの効果があります。


体を動かすことも大切

運動が老化防止に役立つことを付け加えておきます。
最近の研究で、筋力トレーニングで
成長ホルモンの分泌が促進されるということがわかってきました。
高齢者でも、筋肉トレーニングを行うと
筋肉が強化され体の動きが活発になります。
同時に成長ホルモンが増えて若さが取り戻せます。

栄養バランスや栄養補給に気を配ることは、とても大切なことです。
それと同じに、積極的に体を動かすことも、
老化防止には非常に効果のあることです。

老化防止の基本六か条
DHEAをとる
成長ホルモンあるいは成長因子を補充する
ニンニク、ショウガを毎日の食事に取り入れる
チョウセンニンジン、ツルドクダミ、冬虫夏草のなかから
自分に見合ったものを適宣使用する
高齢者は補酵素Q10を補う
筋肉を使う運動をする



日本の高齢化が進む中で、元気に老後を送ること

それが、未来の子どもたちに負担のない

美しい、環境に優しい、安全な国を

伝え残せることになる。