新しい歴史の創造 医師の世界と薬  


日本の医療の現状



ここでは、現役医師が語る薬の過剰投与、
いわゆる「薬漬け」診療に傾いている日本の医療現場の現状を、
裏事情も交えて語っていただいたことを、
整理してみます。



医師の世界と薬

医師の世界は、一般の人が思っている以上に閉鎖的な社会です。
いったんそこに足を踏み入れると、窮屈な世界だと感じます。
学生時代に習うことは、ほとんどが机上の空論ですから、
医師としてのスタートは、大学を卒業して研修医となり、
医局、つまり「白い巨塔」に入ってからということになります。

そこでは教授はもちろん、目上の先生の言うことが
ほぼ100%絶対唯一のことなのです。
徒弟制度ゆえに、いわれたことを鵜呑みすることから始まります。
もちろん自分で学ぶ人は学びますが、
知識の源泉は、ほとんどが先輩であると言ってもいいでしょう。

その情報源の多くはアメリカです。
戦前の日本では、ドイツ医学の系統が主流でしたが、
現在日本の医師が学ぶのは、ほとんどアメリカ医学の知識です。
アメリカは手術、放射線、化学療法、合成化学薬品全てにおいて、
現代的な医学が最も進んだ国でもあります。

ですが、
薬用植物を用いたハーブ療法や栄養成分を用いた栄養療法に関して、
アメリカでも栄養療法は相当に進んでいますが、
ハーブ療法はドイツ、イギリス、フランスなどの
ヨーロッパのほうがリードしています。
10年位前からアメリカでも
ハーブを医学に取り入れるようになってきています。
いま、アメリカの医学も徐々に変わりつつあります。



合成化学薬品の中に発がん性物質が??

日本では、漢方薬以外の薬草系の薬は皆無に近い状態です。
日本には漢方医学を専門として診療する漢方医がいます。
そして、いくつかの製薬会社が調合した
漢方薬をエキス剤などにして販売しています。
20数年前、当時の厚生省が、
漢方薬を病院の処方薬としての使用を認めました。
「葛根湯」とか「八味地黄丸」といったものが、
医師も処方できるようになったのです。

世界には、民族特有の医学や薬草の知識が伝承されています。
インド医学のアーユルヴェーダ、
チベット医学、
ブラジル奥地の数多い薬草、
ロシアのロマノフ王朝に伝わる薬草学、
北アメリカの原住民が伝承してきたハーブなど、
数限りなくあります。
現在それらを合わせ、いいものを取り入れていこうとしているのが、
ドイツ医学の方向性です。

しかし、今の日本の医療は、合成化学薬品主体の西洋医学が中心で、
そこに、ごく一部の東洋医学と漢方薬に頼る幅の狭い世界です。
世界でも主流になりつつある予防のための医学に対し
栄養学や、薬草学を取り入れる取り組みはなされません。

これは、国が薬事法という法律の規制で、
ハーブや栄養素などを薬と表示してはならないと定めているからです。
国は医師に対し、同じ病院内では、
保険診療で認めていない治療方法や保険適用外の治療薬を、
保険で認めている治療方法や薬剤とを
同時に使用してはならないと規定しています。
それでも使用を希望する場合は、医師は
「保健薬も保険が適用されない。患者に自己負担させなさい」
という指導を受けているのです。

このため、日本の医師は合成化学薬品より
優れた薬草があるという事実を一部の医師以外知りません。
頼るものは合成化学薬品しかないというのが実情です。

そしてそれら合成化学薬品の中には、発がん性物質を含むものが多くあります。
もちろん程度にもよりますが、肝臓障害、骨髄障害、腎臓障害、神経系の障害など
さまざまな副作用を起こす可能性があります。
医薬品の取り扱い補足資料書に、副作用の書籍があります。
その中を読むと、
全ての医薬品が副作用を起こす可能性を持っていることが示されています。
つまり、薬は飲みすぎたら寿命が縮まるという可能性を秘めているのです。



病院が合成化学薬品を取り入れる背景

医師が合成化学薬品に頼りすぎる背景には、
国の規制もありますが、
製薬会社側の利益という大きな問題もあります。

医学的な知識というのは、
前述の「白い巨塔」の現場で、先輩医師から指導されたり、
教育を受けたりして得ることがほとんどですが、
製薬会社の担当者から医師への薬の情報提供がなされることにもあります。

製薬会社の社員は、売る側の人間ですから、
情報操作まではしてないにせよ、
自社の製品を売るためには多少誇張してでも、
「これは今までにない良い薬です。
副作用も少なく、こんな効果があります」
など利点を強調した宣伝をします。

病院もそういった言葉を信じて薬を買うことが、
日常のように行われています。
しかし、こうした情報は一方的で限られた情報のため、
医師も使ってみると以外に効かなかったり、副作用が強かったり、
以前の薬のほうがよかったということもあります。

日々忙しい診療に追われている医師、特に若い研修医には、
薬のことを十分に勉強できる時間がないこともあり、
安易に製薬会社側の情報を鵜呑みにする原因となっています。

本来ドクターは私利私欲を捨て、
患者のために公平な立場でいなければならないのですが、
特定の製薬会社と提携したり、親しくなって
公平さを欠くことも多くあります。

そのうえ、製薬会社も数多くあり、
同じ薬で、同じ値段で患者に売るのであれば、
安く仕入れることが出来る会社のものを使います。
そして、その薬で儲けを出そうという病院も出てきます。
つまり、製薬会社にも、医師や病院にも、薬局にも、
薬はたくさん出すほうが儲かるという仕組みがあるのです。




医師は薬を出すことがパターン化している

いま日本の医師の大多数は、
「この症状ならこのような診断で、この薬を出す」
というものがパターン化され組み込まれています。
まさしく典型的な対症療法です。

医師の世界は徒弟制度のため、
先輩が「症状に応じてすぐ薬を出しなさい」
という人ならば、その先輩についた医師の卵もそうなります。
先輩が「簡単に薬を出すなよ」
という人なら、その下で学んだ医師もそうなります。
けれど、後者のような医師はほとんどいませんから、
パターン化された思考は、先輩から後輩へ伝達されていくのです。

病院で診察を終えると、処方箋が出されます。
風邪ひとつでも、3〜5種類の薬が処方されます。
生活習慣病を複数抱えている患者は、
手提げ袋がいっぱいに膨らむほどの分量です。
それを毎日、朝・昼・晩と飲み続ける。
いくら薬とはいえ、それほど大量の薬を飲めば、
身体の調子が悪くなるのは当然で、場合によれば副作用で別の症状が出始め、
さらに薬の種類が増えることになり、
身体の別な部分を壊すという悪循環になるのではないでしょうか。

医師は患者がいろいろな症状を訴えるたびに、
対症療法的にパターン通りの薬を出します。
特定の医師のみならば処方状況もわかりますが、
あちこちの病院にかかる人もいます。
病院間で情報交換がなされていなければ、
同じ薬が重複して処方されるか、
名前や製薬会社は違うが、成分も作用もほとんど同じ薬が、
処方され患者に渡されます。
それらを飲み続けているといつしか一定の許容量を超えてしまい、
時として死に至るようなことも起きる可能性が出てきます。

人によって薬の適量は異なります。
効き目も、敏感な人もいれば鈍感な人もいます。
しかし、薬にはある一定量を超すと危険領域に入る分岐点があります。
合成化学薬品は、血液中の濃度から考えると有効領域がとても狭く、
有効領域を少し超えると、強い副作用の出る危険域に入ります。



合成化学薬品を予防薬に使う人はいないはず!?

現代の西洋医学では病気に患ってしまった段階で、治療を行います。
本来なら、病気を予防する医療が最優先されるべきでしょう。
健康な人に「健康をそのまま保ちなさい」と
指導してあげることが最も重要ではないでしょうか。

合成化学薬品を予防のために飲み続ける人がいたら、
副作用を考えても非常に危険です。
化学薬品は病気が治ったら、やめるべきものです。




医療ミスやトラブルは医師の働きすぎが主な原因

予防医学の必要性・重要性は、日本の現行医療が人手不足で
患者への対応が出来ず、問題が生じていることです。
総合病院などでは医師は外来患者を一日100人も診察する必要があり、
それこそ「三分診療」で診なければこなせません。
そのうえ、検査や手術、急患や検診などもこなすため、
どこかで不注意なミスに繋がり、大きな問題になることもあり得ます。

最近問題にもなりましたが、
技量を持たない若い医師たちが無理な手術を行い、
患者を死に至らせてしまうといった事件がありました。
これは明らかに経験不足で、患者を人体実験に使用したと
非難されても仕方のないことです。

本人の未熟さはもとより、
監督、指導する教授や指導医の管理体制にも問題あることです。
医師の手不足に加え患者の増加も激しく、
さらに技術が細分化され、技術の進歩に学ぶことが追いつかなく、
医師個人の能力を超えてしまうほど、
複雑に入り組んでしまっていることも
医療事故の原因のひとつと考えます。

最近は、内視鏡手術が増えていますが、
これは相当の技術力が必要です。
そして、次々と開発されるさまざまな器具の操作の方法も
マスターしなければなりません。
しかし、それを習得するだけの時間が不足しているのが、
日本の医療現場の現状です。



問診もコンピューターの数値で判断

ある大病院が医療改革を図るため、
病院の全てのシステムにコンピューターを導入しました。
しかし現場では、導入したコンピューターに病院中が振り回されて、
医師、看護士、事務員までもそれにかかりきりになってしまいました。
そして医師はコンピューターの画面ばかりを見て、
患者を診ないでコンピューターの画面の数値で
判断してしまうことがおき始めました。
もちろんカルテにペンを走らせ書き込むこともありません。

いつしか患者たちは、
「先生は画面ばかり見ていて、診察してくれない」と
不平不満をこぼし始めました。
人の温もりのないデーター重視の冷たい医療です。
コンピューターが悪いとはいいません。
しかし、機械や数値に頼りすぎる医療のあり方は問題があると思います。



医療の原点は薬草

アマゾンの原住民には、
いまだにシャーマンと呼ばれる祈祷師がいて、
医師もかねています。
シャーマンは部族に数人いて、
それぞれが200種から400種類程度の
身近に生育する薬草の効用を知り尽くしています。
アマゾン源流はハーブの最大の宝庫で、
その数は何千種類にも及ぶそうですが、
開発による伐採で、かなりの数が絶滅しかかっています。

日本でも長い間、病気は全て薬草で治してきました。
空海(弘法大師)も薬草の大家であり、
大変優れた医師として活躍したと、文献に記されています。

明治維新とともに西洋文化が流入し、
江戸時代まで連綿と受け継がれてきた独自の薬草文化は、
西洋医学一辺倒に変革されました。
本当にもったいない話です。

それまで培ってきた文化を、
政治的激動期を境に全否定するのが日本の特徴です。
新しいものを受け入れるとき、
従来のものと融合しながら進化すれば良いのですが、
医学的には、ある時期ドイツ医学一辺倒、
いまはアメリカ医学一辺倒と偏ってしまい
歴史を踏まえることをしません。

日本の医師は150年ほど前までは
いまの西洋医学とは違う方法で、
さまざまな病気に対応してきました。
そこには深遠な医学の世界がありました。



中国は不老長寿を願う国

お隣の中国では、西洋医学と中国医学(中医学)が見事に同居しています。
死ぬまで元気で、できる限り長生きをするという「不老長寿」の思想が、
現在でも一般社会の中に色濃く受け継がれています。
これは不老長寿を研究する医学、
アンチエイジングメディスン=抗老化医学の元となる考え方です。

秦の始皇帝から始まる歴代の皇帝は、
医師に病気を治すより、
「養命」すなわち体質を強化し全身の状態を良好に保つことを要求し、
病気にならないためにありとあらゆるものを摂取していきました。
例えば、麝香
(じゃこう)(オスの麝香鹿の麝香腺分泌物を乾燥させてもの)や
牛黄
(ごおう)(牛の胆石を乾燥させたもの)といったものは、
ある意味では今のサプリメントの世界と通じるものがあります。

また「医食同源」という言葉の通り、
食物は身体を養い病気を予防したり治療する
薬に等しいものとして重視してきましたから、
現代の代替医療と、似た考え方だったといえます。



問診・聴診・触診・指診・脈診は診断の基本

以前は医者が、お腹に聴診器を当てたり、
指でトントンと叩いたり、脈を取ったりといった光景が普通でした。
しかし、今ではそのような診断技術を軽視する医師が増えました。
理由は、忙しすぎることと、血液検査やレントゲン検査などのデーターに
頼りすぎることが挙げられます。

しかし、問診、聴診、触診、指診、脈診といった診断の基本は
とても重要なことです。

これらはインドの伝承医学・アーユルヴェーダや、
漢方医学では大変に重要視されます。
インドの脈診の大家は、
脈を診るとその人の身体がどのような状況かがわかります。
血圧が高い、腰痛がある、熱がある、心臓が悪い、
身体を冷やす食べ物を食べすぎている。
身体を温める食べ物を食べすぎている。
そういうことが脈診だけでほとんどがわかるといいます。
3本の指で脈を調べるだけです。
もちろん、漢方医学も同様です。

人の脈には身体の情報が集中しいていますから、
たいがいの病気はそこに現れます。
また、おなかを触ったり、叩いたり、顔色や舌を観察したり
患者をよく観察すれば、おおよその病気の見当はつくものです。

昨今の医療は、そういった基本部分が抜けているような気がしてなりません。
細かな情報を見逃しているのではないか、
重要なところが見えていないのではないか、



ここまでは、少し整理してありますが、
現役の医師が自分の体験も交えてさまざまなことを
語ってくれたものをまとめました。

これをお読みいただいて考えていただきたいことは、
医学の世界はこうなのだということを理解して、
自分の身体を自分で守る「予防の大切さ」をわかっていただければ、
この公開が役立つことになります。


そして

やがては子どもたちに

美しい、環境に優しい、安全な国を

伝え残せることになる基礎として。