4.
栄 養 の 異 常(その1)


"食"の質が落ちた



昔から、医食同源といわれているように、
食物は体作り健康維持に最も重要な要素です。
しかし、現在の日本では、食の内容が貧弱になってしまいました。

「現代は、かつてないほどの飽食時代ではないか」と
反論する人も多いと思います。
たしかに食の種類や量は多くなりました。
しかしその反面、個々の食品の質は、悪化の一途をたどっています。

今の食品の特徴は、食品中の栄養素の低下と有害化学物質の汚染です。


体を維持する五大栄養素

食物の中に含まれ人の体を維持するためには、
必要な五大栄養素があります。
炭水化物、タンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミンです。
さらに重要な水を加えると、六大栄養素ということになります。

これらの栄養素は、
良質なものをバランスよく摂らないと、健康を保てません。
現代の食は、質が低下し、食バランスもくずれています。
そのため、体内の栄養素が不足し、
さまざまな病気が引き起こされます。


化学肥料や農薬の害

作物を育てるため一番大切なことは、土壌が肥えていることです。
ところが第二次大戦後、
化学肥料を使い作物の大量生産し続けたため、
土壌の中のミネラルが、枯渇
(こかつ)してしまいました。
同時に、殺虫剤などの農薬を大量使用したため、
土壌を活性化させる微生物が死滅し、
微生物が作り出すフルビン酸などの有機酸が極端に減少しました。
有機酸は、植物が生育するときに
土中からミネラルを細胞に吸収するため、
なくてはならない重要な物質です。

この有機酸が減ったため作物は、
ただでさえ少なくなった土壌中のミネラルを
吸収することもできなくなったのです。
まさに、”ダブルパンチ”です。

日本では、土壌改良のために農薬や化学肥料を使い、作物を栽培します。
しかし、こうした農薬や化学肥料を使用することは、
ある意味、合法的な殺人行為であるともいえます。
最近では、有機栽培や無農薬と謳う作物も増えました。
少しは明るい希望が見え始めたような感もしますが、
本当に楽観してよいのか疑問もあります。

たとえば、DDTという農薬があります。
猛毒で、日本では30年前に使用禁止になっています。
ところが土壌中には、すでに散布されたDDTが、
依然として残存しているのです。
つまり、私たちは残留したDDT入りの米や野菜を毎日食べるのです。
農薬や化学肥料の問題は、未来へも尾を引く深刻な問題です。


食品添加物の危険性

農作物だけでなく、加工食品には、
食品添加物という科学薬物で、最後の仕上げをします。
合成保存料、漂白剤、着色料、酸化防止剤、
甘味料、合成香料などです。
国は毒性の可能性がある食品添加物を、
もっと規制すべきでしょう。
しかし、残念なことに業界の利益が優先されます。

2002年には、
安全性に問題があるため、
規制の甘い日本でも使用を禁止された香料が、
さまざまな食品に添加されていました。

食べ物を選ぶことは、生死にかかわる一大事です。
食事を吟味し、食をおろそかにしないという姿勢を
常に忘れないようにしてください。

便利、簡単、手間が省けるなどで、
保存食品、レトルト食品、スナック菓子など
ありとあらゆる食品が氾濫しています。
利便性の裏には、食品添加物という危険な落とし穴があります。
子どもたちの未来のためでもあります。
食材を吟味し、自分で調理したものを
子どもたちに、家族に食べさせる、自分も食べることが大切で、
よく認識していただきたいことです。

食べ物については、人のうわさやTVコマーシャルに惑わされず、
自分の目で確かめ、吟味し、家族の安全のため努力してください。
調理済みの食品、加工された食品は出来る限り減らす工夫をすれば、
誰もが出来ることです。


合成アミノ酸にも要注意

戦後「日本人の味覚を低下させた」と言われるものに、
L-グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどの
合成アミノ酸、いわゆる合成化学調味料があります。
さまざまな企業が製造し店頭で数多く売られています。
また、調理済みや加工された食品にも
合成化学調味料が多く含まれます。
こうした合成化学調味料やうま味調味料に関しては、
さまざまな論議があります。
しかしこれらの合成化学調味料が
人の味覚を害していることに、変わりありません。
味に敏感な人は、合成の化学調味料が
ごく微量含まれているだけで、
不快な味を感じ取ります。

子どもたちの味覚を鈍らせないためにも、
化学調味料、合成アミノ酸という「味付け薬」に
頼らない生活に戻ってほしいものです。


食品添加物と病気

ここでは、食品添加物が人体に及ぼす影響を確認していただきます。

@ 催奇形性(奇形児が生まれる)
A 発がん性
B 精神障害
C 肝臓障害
D 腎臓障害
E 骨髄障害
F 皮膚障害
G 胃腸障害(胃炎・胃潰瘍・クローン病・潰瘍性大腸炎)

この影響の一覧をご覧になって食品添加物には、
環境ホルモンや農薬に似た毒性が確認できたでしょうか。

こうした有害物質の最も恐ろしいことは、
それを取り込んだ母体から胎盤を通して
胎児に引き継がれることなのです。

奇形、精神障害、発ガンという災難が、
 何の罪もない次世代を、生まれながらにして
苦しめる結果が待っています。


ミネラルとビタミンを補う

作物中のミネラルが非常に減ったいうことをこれまでも述べました。
その結果、通常の食事では、
鉄、銅、セレニウム、マンガン、クロム、
モリブデン、バナジウム、そのほか多くのミネラルが、
不足すると言われています。
それを防ぎ、健康を維持するためにも、
多種類のミネラルを補っていかなくてはなりません。

ミネラルだけでなく、ビタミンも同様に不足する状態にあります。
作物中のビタミンもミネラル同様に激減しているからです。
穀物を精白してたべること、野菜の摂取量が減ったことも、
ビタミン不足の原因です。
穀物を精白すると、米や麦の胚芽に含まれる
ビタミンもミネラルも失われてしまいます。
特にビタミンB群は、胚芽の中に多く含まれているので、
現代人のほとんどは、
ビタミンB群欠乏症といっても過言ではありません。

また、食べ物の嗜好が欧米化し、
でんぷんとタンパク質を主体とする食べ物が増え、
反面、野菜の摂取量は少なくなっています。

カレーライス、ハンバーグ、とんかつ、焼肉、
ラーメン、うどん、スパゲティ、ピザなど、
家庭で食べる場合は別とし、
外食するとビタミン補給源の野菜は、
ほとんどはいっていないという有様です。


ストレス社会にビタミン

現代の生活は、ストレスがいっぱいです。
ストレスにより、体内に有害な活性酸素が大量に発生します。
活性酸素を除去するためには、
ビタミンA、C、Eが大量に必要です。
そのためこれらのビタミンも
総体的に不足した状態になっているでしょう。

がん患者でも栄養法で改善の可能性があります。


ノーベル賞科学者のライナス・ポーリング博士は、
ビタミンCの大量投与で、
がん患者を延命させることが出来るといいます。
また、ベータカロチン、ビタミンE、ビタミンB群も
がんの進行を遅らせることが出来るといわれています。


脂肪のとり方に注意

栄養問題で注目は脂肪です。
人間にとって、有害な油と安全な油があることは、
日本ではほとんど誰にも知らされていない事実です。

日本を含めた世界中の先進国では、
生活習慣病(成人病)といわれる病気が増加し続けています。
生活習慣病とは、健康維持という面から見て、
好ましくない生活を続けることにより
引き起こされる病気の総称で、現在日本人の3分の2近くが、
この生活習慣病で死亡しています。

具体的には、
がん、動脈硬化による心臓病や脳卒中、高血圧、
糖尿病、高脂血症、抗尿酸血症(痛風)、肥満、痴呆などです。

欧米では、
「これらの病気の大きな原因が、脂肪の摂り間違いからきている」
といわれています。
その概要と問題解決について述べます。


飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

人が食物からとる脂肪には、大きくわけて
動物性の脂肪と植物性の脂肪の2種類があります。
また、脂肪の分子は主要部が脂肪酸という
有機酸の一種でできています。
この脂肪酸は、原子の結合の違いで、
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分けられます。

動物性脂肪のなかで、牛や豚など主な獣肉に多く含まれる脂肪は
飽和脂肪酸でできています。
飽和脂肪酸は人体内で、炭水化物からも合成されるため、
必ず摂らなければならない栄養素ではありません。

植物油や魚の油には、不飽和脂肪酸が多く含まれます。
不飽和脂肪酸は、その構造の違いにより
オメガ3、オメガ6、オメガ9の3種類に分類できます。


不飽和脂肪酸オメガ3、6、9

オメガ3とは、亜麻の種やシソに含まれるアルファリノレン酸、
サバやイワシやニシンなどの魚に含まれるのが、
DHA(ドコサヘキサンエン酸)とFPA(エイコサペンタエン酸)です。

オメガ6には、リノール酸やガンマリノレン酸などがあります。
大豆、菜種、胡麻、トウモロコシなどで作られた植物油は、
オメガ6を多く含んでいます。

オメガ9を多く含むのは、オリーブオイルです。

以上のうちオメガ3とオメガ6は、体内でプロスタゲランディンという
多くの働きをする重要な物質に変換されます。


有害な植物油と使用食品

脂肪と健康を考えるとき重要な問題点があります。

まず、日本を含む先進国で使われる植物油が、
いかに低質であるか説明します。

かつて、植物油は原料を圧搾して油を取り出す方法でつくりました。
現在の製法は、石油系溶剤を使い高熱処理で油を抽出し、
抽出した後に酸化(劣化)しにくくするため、
不飽和結合の部分に水素を添加する化学処理をしていきます。

このため、本来人間に安全なはずの植物油が、
トランス脂肪酸という「油もどき」を含む物質に変ってしまうのです。
大豆やコーンの油は、原料自体の脂肪含有量が少ないため、
このような製造方法が取られます。
変質したトランス脂肪酸は、有害との説もあり、
先進国でがんや動脈硬化が増加したのも、
この変質した脂肪が原因と、多くの研究データーが証明しています。
こうした脂肪が、がんや動脈硬化だけでなく、
その他多くの生活習慣病の一因になっていることは、明らかです。

有害な油の筆頭は、マーガリンです。
ごく少数を除き、ほとんどのマーガリンは、
トランス脂肪酸を10%以上含んでいて、
自然の油から合成された「プラスチック油」とも言われています。

また、先進国ではオメガ6の摂りすぎと、
オメガ3の不足が問題となっています。
日常の食生活で揚げ物、炒め物、スナック菓子、ドーナツなど
油を使用しているものが多く、
油を使わない料理を見つけるのが難しいほどです。
これらに使用される油のほとんどは、
大豆やコーンであり、飽和脂肪酸が氾濫しています。


オメガ3の不足で起きる病気

反対に、オメガ3の摂取は減っています。
オメガ3は、穀物の胚芽にも含まれているので、
穀物を精白するとオメガ3(アルファリノレン酸)が失われます。
また、オメガ3はオメガ6より科学的に変化しやすい物質です。
そのため、石油系溶剤と熱を使った製油方法では、
原料から油を製造する過程でオメガ3の多くは
酸素と水素により変質してしまいます。

サバやイワシなどの漁獲量が落ち込み、
食生活も変化し、以前ほど魚を食べなくなったため、
魚からのオメガ3の摂取量も減っています。

そして、オメガ3の不足が、さまざまな病気の原因となっています。
オメガ3不足で起きる病気は

@ アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー性疾患
A 胃炎や潰瘍性大腸炎などの胃腸障害
B 貧血
C うつ病
D 関節炎


日常生活での脂肪の摂取方法

健康をたもつために、日常生活で出来る脂肪の摂りかたは、
まず、動物性脂肪を減らすことが肝要です。
獣肉の脂肪に含まれる飽和脂肪酸は、
摂りすぎると悪玉コレステロール(LDL)を増加させ、
動脈硬化を起こします。

さらにこの脂肪のなかには、その動物が食べた飼料の中の
ダイオキシンや農薬や抗生物質など、脂溶性の有害物質が含有されている。
大きな動物ほど飼料を多くとるために、
高濃度の有害物質を蓄積しています。
こうした面からも動物性脂肪の摂取は、好ましくはありません。
肉を食べるなら、脂身の少ないものを選ぶこと、
脂身があればそぎ落とすように心がけてほしいものです。

次に、大豆やコーンで出来た植物油は使わないことです。
昔からの圧搾法で絞り、科学的処理のされていない
菜種油やごま油が良いでしょう。
入手が難しいですが、
有機農法で栽培された原料が良いことは
いうまでもありません。
ただしオメガ6の過剰という現状からすると、
菜種油や胡麻油も出来れば使用を減らすほうが良いといえます。

そして、安全性と健康面から薦められるのは、
オメガ9を多く含むオリーブ油です。
オメガ9は、多く摂取しても動脈硬化を起こしませんし、
糖尿病を改善したりコレステロール値をさげるという、
素晴らしい効果を持っています。

エキストラバージン・オリーブオイルと表示されたものは、
イタリアなどで昔ながらの製法で作られています。


オメガ3の効用

脂肪のバランスという観点からは、オメガ3の補充を考えるべきです。
亜麻の種から採れる亜麻仁油は、
オメガ3の中のアルファリノレン酸という脂肪酸を多く含んでいます。
アルファリノレン酸は体内でEPAやDHAに変えられます。
専門家は亜麻仁油を毎日2グラム取るように薦めています。
亜麻仁油は、酸化(劣化)するので、早めに消費しなければなりません。

魚の油で作られたオメガ3(EPAやDHA)は、
サプリメントとして自然食品店などで入手することは出来ます。

オメガ3の補給目的は、生活習慣病の予防です。
@がん A動脈硬化 B糖尿病 C高血圧 
D肥満  E精神病  F痴呆
などを予防します。

さらに付け加えると、オメガ3は、
胎児が発育するとき、
神経系、免疫系、内分泌器官が正常に分化するために、
必要な栄養素で、生まれてくる子どもが
脳疾患やアレルギー疾患にかからないためにも、
妊娠中の女性にオメガ3を補給してほしいと願っています。

オメガ3は、病気治療にも優れた栄養素で、
栄養療法の世界的権威、J・ブドウィック博士は、
がん患者にオメガ3などの栄養素を与えて、
延命が可能であったと報告しています。

アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症などのアレルギー性疾患が、
オメガBで改善することも多くの研究結果が証明しています。

生涯の健康にかかわる「分化」

ヒトの生命は、
母親の卵子と父親の精子とが受精することから始まる。
そして受精卵は、次々に細胞分裂をくりかえす。
細胞分裂の進行に伴って、
次第にさまざまな機能を持つ臓器(器官)へと変化していく。
これを分化と呼ぶが、分化が正常に進まないと、
生まれてくる子どもは、場合によっては、
一生涯さまざまな症状に苦しむことになる。

この分化が急激の行われるのが、
受精後約3ヶ月までである。
それ以後は徐々に成長期に入り、安定してゆく。




オメガ3の効果が認められた症例

オメガ3は、さまざまな病気や症状に
効果があることが解明され、かつ多くの症例報告がある。

  @ リウマチなどの膠原病による関節炎を緩和する。
  A 精神統合失調症やうつ病の症状を和らげる。
  B 心臓病による心筋の活動低下を回復させ、不整脈を抑える。
  C 免疫力を上げることでウィルス感染症を改善する。
  D ホルモンバランスを整えて月経痛(生理痛)を緩和する。
  E 不任女性が改善し妊娠する例がある。
  F 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎・クローン病などの
    消火器官の炎症や潰瘍を改善する。
  G 血中のコレステロールと中性脂肪を下げる。
  H 前立腺肥大症の症状を和らげる。
  I 円形脱毛症を改善する。