4.
栄 養 の 異 常(その2)


タンパク質について

タンパク質も人の健康を維持するために大切な栄養素の一つです。

タンパク質には、動物性と植物性のものがありますが、
動物性タンパク質はその元となる動物が、
有害化学物質に汚染されている可能性が高いです。
家畜は、飼料の中のダイオキシンや農薬や抗生物質などに、
魚はダイオキシンやポリ塩化ビフェニール(PCB)、
水銀などに汚染されている危険性があります。
先にも述べたように、
大きな動物ほど食物を多くとるため、
高濃度の有害物質を蓄積しているとされています。
そして有害物質は、脂身の部分に多く蓄積されています。
比較的安全な動物性タンパク質は、
イワシ、アジ、シシャモなどの小魚でしょうが、
これらも生息してる海域によって汚染度が異なります。

以上から、動物性タンパク質よりも、
大豆などの植物性タンパク質のほうが安全であるといえます。
もちろん無農薬かつ有機栽培の大豆なら申し分ないでしょう

極端な話になりますが、
無農薬で有機栽培の天然大豆から作られた
スポーツ選手向けの筋肉増強用タンパク質サプリメントが
最も安全なたんぱく源であるのかもしれません。

ただ人工的に加工されているスポーツドリンクは、
体への負担や害が大きいといえます。


マグネシウムの役割

先に、ミネラルについて述べましたが、
その中で、マグネシウムの役割について補足しておきます。

ナトリウム、カリウム、カルシウムと同じく、
人体には多くのマグネシウムが存在しています。
1日の必要摂取量は、成人で約300mgですが、
現代の日本人はほとんどマグネシウムが不足しています。

マグネシウムを最も多く含む食品は玄米です。
そのほかには、海藻と種子類に多く含まれています。
日本人が玄米を食べなくなったため、
マグネシウムが足りなくなっています。
マグネシウムには、カルシウムと共に丈夫な骨を作る働きがあります。
カルシウムだけでは丈夫な骨は出来ません。
マグネシウムも同時に摂る必要があります。
そして、狭心症や心筋梗塞、不整脈などの心臓疾患を予防します。

このことから逆にたどると、心臓病が増加しているのは、
マグネシウムの不足が関与しているともいえます。
マグネシウムの不足が動脈硬化を促進するという研究報告もあり、
マグネシウムと血管障害の関係は、
今後の研究で解明されていくものと思われます。

マグネシウムの不足が、筋肉の異常な収縮を起こすことがわかっています。
夜中に足が痙攣
(けいれん)する人は、
マグネシウムを補給すると改善することも多いです。
また、マグネシウム不足で、
不安やうつなどの精神障害が起きるとも言われています。

糖尿病では尿中に排泄されるマグネシウム量が増加するため、
血液中のマグネシウムの値が下がることがわかっています。
そして、そのことが糖尿病患者の血管障害の
原因になっていると推測されます。
ならば、糖尿病患者にマグネシウムを補給すれば、
血管障害がある程度防げる可能性があります。

こうして多くの病気にもマグネシウム不足が関連している可能性があり、
さまざまな病気で症状が芳しくない場合に、
自然食品店などで入手できる
マグネシウムのサプリメントを補給することも方法です。


玄米は食の原点

玄米は食を語るうえで重要です。
一言で言うなら、
玄米は、完全栄養食です。
ビタミン、ミネラル、脂肪、たんぱく質などの
重要な栄養素のすべてが米の胚芽や果皮、種皮と呼ばれる
外側の部分に含まれています。
この部分は繊維質も豊富に含まれます。
玄米には、日本人に不足している
マグネシウム、ビタミンB群、オメガ3が大量に含まれています。
しかし、完全栄養素である玄米も精米したのでは、
でんぷん質である白米だけが残ります。
そして、大切な栄養素を含む部分は捨てられてしまいます。
現代の日本人はさまざまな栄養素が不足し
健康が損なわれています。
こうした状況は、玄米を食べなくなったことが、
大きな原因であると考えられています。

玄米こそが、食の原点です。
栄養バランスの基本は玄米食です。
ただし、胚芽の脂肪部分には農薬が溶け込む危険性があります。
安全を考えて、無農薬のものにしてください。


体力の衰えに、酵素補給を

体内で合成される触媒
(しょくばい)のことを酵素といいます。
酵素はたんぱく質で出来ており、体内の化学反応を促進する役割があります。
体内にはたくさんの酵素が活躍しています。
消化の働き、細胞のエネルギーを引き出す働き、
酵素はあらゆる人体機能に関与します。
消化のために役立つものは、消化酵素と呼ばれます。
唾液、すい液、腸液など、
さまざまな器官から分泌される消化液の中に酵素があり、
でんぷん、脂肪、たんぱく質を
腸が吸収しやすいように分解します。

消化のよくない人や高齢者は、消化酵素分泌が低下しています。
せっかく栄養あるものを食べても、酵素が不足していると、
消化しきれず排便されてしまいます。
酵素は、野菜や果物の中にも含まれており、食物の消化を助けます。

例えば、パパイヤの中のパパインや、
パイナップルの中のブロメラインは、
たんぱく質を分解する酵素として有名です。
南の島に住む人たちが海の魚を食べるときに
たんぱく質を分解しやすいように
自然が与えてくれた恵みなのではないでしょうか。

酵素不足になりがちの日本人は、
意識的に酵素を補給できる食転換をするか、
酵素を別に補充する必要があります。


悪玉菌を阻止する乳酸菌

話題の乳酸菌の効用をお話します。

糖類を発酵して乳酸を生成する細菌を、乳酸菌といいます。
乳酸菌は約90種類あります。
このうちいくつかは
人の消化器や膣に住みつきますが、病原性はありません。
むしろ、他の病原菌(悪玉菌)の繁殖を阻止する働きがあります。

漬物やヨーグルトなどの発酵食品の中にも
乳酸菌が多く入っているのは、ご存知のことでしょう。
乳酸菌は栄養素ではありませんが、食品に含まれており、
健康によいという意味では、栄養素に近いでしょう。

乳酸菌には

@ 食べ物の消化吸収を促進する
A 腸の異常発酵を抑える
B 便秘や下痢を改善する
C LDLという悪玉コレステロールの値を下げる
D アレルギーを改善する
E 免疫力を上げる

などの作用があることも証明されています。
したがって、消化不良、高コレステロール血症、
アレルギー、がんなどには、
発酵食品や乳酸菌のサプリメントが適しています。


少年たちの異常の原因

最近の少年たちの奇異な行動や精神異常、
悲惨な事件は有害化学物質と栄養の偏りが原因でしょう。

一般には、親の問題、教育の問題、社会の問題であるといわれていますが、
そうした問題点だけで子どもたちの
不安定な心理状態や奇妙な行動は説明がつきません。

事件を起こした子どもたちの生活背景を探ると、
共通の問題点が浮き上がります。

すなわち、
家で食事をとらないでコンビニなどの
パンやスナック菓子や清涼飲料水を主食にしていたということが
さまざまな調査の結果、わかってきています。

まずは、朝食をとらないこと、
食品添加物とトランス脂肪酸に汚染されている食べ物をとっていること、
ミネラルやビタミン、オメガ3やたんぱく質の足りない食事をとっていること、
こうした食の栄養不足、バランスの悪さが
子どもたちの神経を狂わせています。

砂糖を過剰に摂取していることも、この子どもたちの特徴と言えます。
まず、彼らは朝食を抜いているので、低血糖の状態にいます。
空腹を感じた時点で、
砂糖を多く含んだスナック菓子を多く食べるので、
その結果、血糖が急激に上昇します。
結果、血糖の上昇を防ぐため、
すい臓からインスリンが大量に分泌され、
その作用で、今度は低血糖になります。
血糖値の大きなゆれ動きで、脳の活動が異常をきたし、
常識では考えられない行動をします。

食文化の変化で、子どもたちの精神や神経がおかしくなり始めたことは、
間違いのない事実です。

食をおろそかにして、子どもたちの将来はありません。


健康を守るための栄養摂取で心がけること

有機無農薬の穀物と野菜を選ぶ
食品添加物を極力避ける。 L-グルタミン酸などの化学調味料もやめる。
動物性脂肪を減らす。 石油系の溶剤で高温抽出の油は避ける。
特に大豆油、コーン油は出来るだけ使わない。
エキストラバージン・オリーブオイルの使用が好ましい。
砂糖も出来る限り減らす。
玄米を常食する。
ミネラル、ビタミンの不足をバランスよく補う。
オメガ3を毎日摂る。
消化器の弱い人や、がん患者は酵素や乳酸菌のサプリメントを補給する。
加工済みの食品、できあい食品は出来る限り食べない。