分 子 栄 養 学 その2



栄養の摂り方を間違えると病気を招く

たとえば、缶コーヒーを例に取ると、250ml一缶で角砂糖が7つ分入っています。
日本の食生活の中で糖分の一番の摂取源は、
これらの缶コーヒーやペットボトル飲料であるといっても過言ではないのです。
こうした砂糖は二糖類に分類され、口から入ると即、胃に吸収され血管に入ります。
時間にすると、20分〜30分程度なので、
血糖値は30分で急上昇します。
すると身体は、それではまずいとインシュリンが大量に出てきます。
そして血糖値を急激に落とすのです。
これは正常値に落とすのではなく、50ぐらいまで落としてしまいます。
すると低血糖症という症状を起こし、意識がボーっとしてくると同時に
なんとなく眠さを感じるようになります。

若い子風にいえば
「超だるいって感じ〜」です。
これは間違えて砂糖の摂取をしているからで、そのことに気付かず、
今度はコーラを飲んだりしてしまうのです。
こうしたコーラや炭酸飲料にはリン酸が山のように入っていますから、
カルシュウムが急激になくなります。
更年期障害の人に負けないくらい不足してしまうので、
身体はますますひどい状態になってしまいます。

人間の身体の中で炭水化物を消化する酵素は、
口の中と胃の中の二箇所にあります。
タンパク質、脂質は一箇所ですが、
二箇所あるということはそれだけ多く摂れということです。
本来は摂っていいように体はできていますが、
炭水化物(糖分)だけを大量に摂ってしまうと
身体がコントロールできなくなってしまいます。
バランス良く摂取することが必要です。



体質で病気のリスクは変わる

このように栄養の摂り方を間違えると、
いろいろな疾患にかかる危険性が出てきます。
ですから、その原因を性格に知ることが健康への近道です。

そして、問題解決のためサプリメントなどで栄養を整備しようとするとき
いくつかの問題点があるので注意してほしいものです。

ひとつは、日本人は胃酸が弱い人が多いので、
アメリカのサプリメントは基本的に粒が大きく適してはいません。
また、日本のサプリメントなどでも単一成分や少成分の物も適してはいません。
日本人はタンパク質を消化する酵素が欧米人の5割しかありません。
ですからこうしたサプリメントはあまり有効とはいえませんし、
むしろ身体には負担になってしまいます。

また、胃潰瘍にかかっている人などに多いのですが、
ヘリコバクター・ピロリという菌が胃の中にあると、
胃がざる状態となってしまうので、
何をどう飲もうが全く役にたちません。
ただ口から入れて出して終わりです。
そのためには、ヘリコバクター・ピロリのある方は、
まずそこを処置しなければいけません。

さらに体内に有害物質がたまっていては、
栄養問題で病気になったとしても、
いくらとっても無駄になってしまいます。



身体を守るインターフェロン

このように健康を獲得するにはいくつかハードルがあり、
「遺伝子」の存在は重要なカギを握ります。
そこで、遺伝子栄養学といわれる
「分子栄養学」が登場してきます。

たとえば、インフルエンザにかかったとします。
原因はウイルスで、高熱が出て大変苦しいものです。
そして医者にかかると「タフミル」という薬が登場しますが、
薬に頼る以前に「ビタミンCを沢山摂りましょう」というのが合言葉になります。
身体にウイルスが入り込むと身体の防衛反応が働き、
ウイルスを殺そうとします。
殺す物質はインターフェロンです。

C型肝炎を治す時にもインターフェロンを使います。
ただその場合、自分のインターフェロンではなく
動物や他の人のインターフェロンを使うことになります。
本来インターフェロンは自分の身体の中でできているものです。
これは私たちが生きていくうえで必要不可欠なものです。
もしなかったら私たちは、死んでしまいます。

つまり、インフルエンザの菌が体内に侵入すると、
インターフェロンが身体を守るため、活躍し始めます。

インターフェロンは、粘膜にウイルスを早く出させるため、
鼻水を出し、喉から痰を出すことでウイルスを流しだそうとします。
そこで食い止められなければ、今度は血液の中で殺す作業をします。

このようにインターフェロンは、
身体を守るために体内でつくられる
最終兵器のような物質なのです。

インターフェロンは糖質とタンパク質を基に、
酵素の力を借りてインターフェロンになります。
ところがこの酵素が曲者で、酵素自身だけでは働けないのです。
酵素をサポートする助酵素(補酵素)が必要です。
この助酵素は、再三触れてきたビタミンCです。

ビタミン(A〜Qまで)は、おおむね助酵素だといってもよいでしょう。
なので、ビタミンCが入ることで酵素も働き、
糖とタンパクをくっつけて、インターフェロンを作り出します。
それで初めて、インフルエンザでも、
他のウイルスにも対抗できるのです。



酵素は生命そのもの、つくるための設計図は遺伝子

酵素はタンパク質でできていますが、
生化学分野では生命そもものといわれています。
理由は、酵素がなければ身体の代謝が行われないからです。

ここで、代謝について説明しましょう。
よく新陳代謝という言葉が使われます。
この新陳代謝が行われなければ、死んでしまうことになります。

具体的には、肉を食べてもその肉が筋肉になるわけではありません。
つまり自分の身体に同化させる作用が必要です。
たとえば、日本人がフランス語を聞いて理解するには
日本語への翻訳が必要です。
この翻訳の働きが「同化作用」です。
食べたものを自分の身体の細胞にすることが同化作用なのです。

そして同化作用と同時に体の中の古い細胞を処理します。
細胞が長らえるとがん化する危険性があるので、
意図的に処理します。
このとき大量のエネルギーを消費し、酸化させて熱を出します。
これをさせるのが「異化作用」です。

この、「同化作用」「異化作用」の一連行為を
新陳代謝といいます。

この一連の行為を行い、代謝してくれるものが、
「酵素」なのです。
この酵素の働きで、私たちは健康でいられるのです。

ここから遺伝子に繋がります。
DNAの中にある5%の遺伝子は、概ね酵素をつくるだけです。
遺伝子はいろいろやっているような気がしますが、
アミノ酸からタンパク質をつくる設計図です。
その中で重要なのは酵素をつくる作業で、
それだけに絞ってもよいほどです。
つまり「酵素をつくるための設計図が遺伝子」なのです。

つまり、遺伝子がアミノ酸からタンパク質をつくり、酵素をつくる。
そして酵素が代謝を行うという、流れが出来るのです。

ここで、アミノ酸とタンパク質に触れておきましょう。
タンパク質は鎖でつなぎあった塊のようなものです。
この鎖を解き放ちバラバラにしたものが、アミノ酸です。
アミノ酸は約20種類あります。
そのうち、体内ではつくることができないが、
栄養分としては摂取しなければならない
アミノ酸が9種類あります。
これらを必須アミノ酸といいます。

このアミノ酸を遺伝子の設計図にそってこのアミノ酸はここ、
このアミノ酸はこちらと配置して
できた塊が、タンパク質です。
つまりタンパク質を構成しているのがアミノ酸なのです。
その結果、顔も性格も違う人が出来上がるわけです。

それと同じように酵素も一人ひとり全部形が違います。
体内でつくられる酵素は、潜在酵素といいますが、
大きく分けると消化酵素、代謝酵素の二つがあります。
一人ひとりその名前は同じでも組み合わせは違います。

先ほど、酵素には助酵素(ビタミン)が必要と話しました。
ですから、ビタミンを大変引きつけやすい遺伝子を持った人の酵素なら、
少量のビタミンで酵素は働きます。つまり、身体が代謝します。

ところが、ビタミンとつきにくい遺伝子を持った人の酵素は
通常のビタミン摂取では酵素は働きません。
結果その人は病気になりやすいということです。

例えば、胃腸が弱い人がいたとします。
同様に親も弱かったら、「体質だね」「家系だね」
などと、いったりします。
そうでなくとも、
「個人差だね」「会わなかったんだ」で、片付けられてしまいます。
しかし、その言葉の背景にはこれだけ複雑なことがあるのです。



遺伝子レベルの身体の弱点はサプリメントで補強する

では、そういう燃焼の悪い酵素を持った人はどうするの、
という話になりますが、かなり難しい問題になります。
遺伝子内の他のDNAが動き変化が起こらない限り、
その体質で頑張るほかありません。

しかし、この燃焼の悪い人に、普通の人の何倍も大量、強力に
マルチミネラルやマルチビタミンを補給すると、
酵素が人並みに働くようになります。
そして自分の欠点を補うことが可能になります。

よく、外来診療科の先生が
「あくまで主は食事です。サプリメントはそれを補うだけです」
と、いいますが、それが適するのは普通の人への話です。

燃焼が悪いということは、DNAがそうつくられているのですから、
普通の状態では改善されることはありません。
ですから、そのような燃焼が悪い人は
食事だけでは必要量が摂取できませんので、
自分の身体に適したサプリメントで
効率的に栄養を吸収させる必要があります。

このように、
「栄養量に対しては、遺伝子レベルの個人差がある」
ということを、理解してください。