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科学的基礎知識

 

10.低分子化の技術

低分子化については少し説明はしてきているが、
ここでまとめて説明する。

低分子化というのは、分子を小さくすることである。
分子を小さくするということは、
元は大きな分子だったということになる
大きな分子を高分子と呼んでいる。
したがって、低分子化技術とは、
高分子を小さな分子の状態にする技術である。

ということは、ミネラルやビタミンは高分子でないため、
低分子化技術の対象とはならない。
では、一体高分子と呼ばれるものは、
どのようなものなのか。

私たちが日常食べる食事の中で、
高分子と呼ばれる代表的な物質が三つある。
タンパク質、炭水化物、脂肪で、
この三つの高分子の中で、免疫力を高めたり、
生命活性活動に最も深く関係しているのがタンパク質である。

低分子化技術は、
タンパク質を小さくバラバラにしていくことからスタートしている。
その技術がどれほど素晴らしい事か事例を挙げてみる。


世界最先端と言われる食は、
宇宙食である。

この、宇宙食に関する技術には、
タンパク質をどのような状態にするかが、
一番の課題であり、さまざまに開発が行われてきている。
タンパク質の低分子化が開発できれば、
炭水化物も脂肪も解決がつくといわれている。
このように世界の中で宇宙を目指国々は、
飛行士の食に関して開発と工夫をしている。


このような世界最先端でも
日夜、研究開発が行われている。


実は、タンパク質という物質は、
各種のアミノ酸が次々と繋がったものである。
しかし面白いことに、
アミノ酸とアミノ酸が繋がるとき、水が発生する。
このように繋がることを、結合という。

水は、水素(H)と酸素(O)が、2:1の割合でできている。
だから、水のことを H
2O と世界共通記号で表す。

このため、タンパク質ができるときには、
アミノ酸が結合している全てで水ができている。


これは、繋がっている両方のアミノ酸から水素2酸素1が取れることで
アミノ酸同士が結合しタンパク質になるのである。

自然界は合理的のできている。
タンパク質という高分子が出来るとき
同時に水が出来る。、
水もタンパク質も生命にとっては
欠かす事ができない物質である。

こうしてできたタンパク質を体内では、
ばらばらにする事が発生する。
結合したものをばらばらにするのでこれを分解という。

タンパク質を分解してアミノ酸にするには、
結合のときに取り除いた水が必要になる。
タンパク質に水を作用させて、最小単位のアミノ酸に戻す。
専門的には水に作用させて
高分子をばらばらな状態に戻す事を、
加水分解と呼ぶ。


加水分解で高分子であるタンパク質を
アミノ酸という小さな分子に変化させる。
これが低分子化技術である。

しかし、少々ややこしい事が存在する。
ただ単純にタンパク質に水を加えても、低分子化という現象は起こらない。
もし、そのような事が起こったら、私たちは水に入る事ができない。
なぜなら、私たち人間の体の皮膚は、タンパク質でできているからである。


タンパク質に水が作用し、加水分解という低分子化が起こるには、
酵素という特別な物質が必要である。
酵素については、別に説明する。

ここでは、酵素という物質は、
タンパク質をアミノ酸という小さな分子にする力を持っていると
理解しておけば良い。
ただし、その場合でも水の存在を忘れてはならない。

人間が肉や魚を食べたとき、その成分のタンパク質は
胃や腸で小さく低分子化されている。
低分子化しないと、分子が大きすぎて、
腸の壁から吸収できなくなり、
排泄物として外に排出されてしまう。
このように、人間が高分子の物質を低分子化することを、
まとめて消化と呼んでいる。

タンパク質を消化して低分子化するときには、
プロテアーゼという酵素が必要である。
私たちは、体内の消化器官でプロテアーゼという酵素を出し、
タンパク質をアミノ酸に低分子化して、
体内に吸収し生命活動に利用している。



体外でプロテアーゼを確保し
優れた低分子化の技術有しているということは、
微生物に関する研究がきちんと行われているということで、
微生物に関する技術は、バイオテクノロジーの一つとして広まっている。
バイオとは、生命、生物ということであり、
テクノロジーとは技術と解釈すればよい。

バイオテクノロジーという技術開発には、
遺伝子解析というさらに高度な技術が基本となる。
なぜかというと、
特定の微生物のコントロールには、
その微生物がどのような微生物か、常に同じように活動してるか、
正確に判断する必要がある。

地球上で何十億年と生き延びてきた微生物たちは、
わずかな環境に変化に対しても敏感である。
特に、温度や水分、酸素の量や栄養によって
その活動力は大きく変化する。
肉眼ではつかめないレベルの微生物たちである。
その存在や変化を確かめるには、
遺伝子解析という技術を利用しなければできない。


そして、近年、意外な事が分かってきた。
完全にばらばらになったアミノ酸より、数個繋がったほうが
より人間の生命活動に対し、効果があることが分かった。
自然界に仕組みは、なんとも複雑で奥深い。
このアミノ酸が数個繋がった状態のものを
ペプチドと呼んでいる。

このペプチドは、
生命工学の分野や医学の分野でも
研究が進められている。

地球上のタンパク質は、たった20種類のアミノ酸でできている。
しかし、その組み合わせがどのようになるか、
どんな種類のペプチドが出来るか天文学的数字になる。

結論として、
タンパク質の低分子化技術というのは、
どんなペプチドをどんな微生物の力で作るかという技術といえる。
そのためには、
生命工学、物質工学、遺伝子工学、バイオテクノロジーといった、
現代の最先端技術が必要になる。
ロケットで宇宙に人を送ることができても、
生命を維持し、生命を活性する技術が存在しなければ、
人は安全に地球には戻れない。
低分子化技術は、人の生命を活性化させる最高の技術といえる。

これは、宇宙食のための技術だけではなく、
私たちが日常的に求める、健康と安全を維持するため必要な
基本的な技術となってくるはずである。

こうした究極の低分子化技術は、
でんぷんなどの炭水化物や脂肪に対しても応用できる。
でんぷんなどの炭水化物は、いろいろな糖が繋がった高分子である。
この高分子を分解するには、
アミラーゼという酵素が必要である。

人間の口の中では、このアミラーゼという酵素で、
でんぷんなどを分解している。
この場合も、糖が数個つながったオリゴ糖という物質が
生命活性に有効である事が分かっている。
オリゴは少ないという意味で、
少ない糖のつながりが、生命活性に有効なのである。

また、脂肪はリパーゼという酵素で、
低分子化することができる。

こうして、
プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼという酵素によって
高分子となっている栄養分を低分子化することができる。


そして、低分子化の技術は、
時代の最先端を行く
生命工学、物質工学、遺伝子工学、バイオテクノロジーといった、
さまざまな技術によって支えられている。

こうした、低分子化した総合的なサプリメントを、
私たちが取り入れることが出来れば、
日常生活では補えない生命活性のための栄養素を
より多く補給する事ができる。
体が活性することは、子どもたちの発育にも必要であり、
大人たちの体の活性は、老化防止にもつながる。



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