科学(化学)を学ぼう




科学的基礎知識


6.マイナスのイオン(陰イオン)ができるとき


マイナスイオンを、陰イオンという。

マイナスイオンは、電子(e-)だけではない。

水道水に殺菌目的で投入する化学物質の塩素は
マイナスイオンである。
だから「マイナスイオンは体に良い」などと言うような事を
子どもたちに伝えてはならないのである。


塩素の原子番号は、17番である。


図を見ると分かるように、3層目に7個の電子(e-)が存在している。
3層目は、8個の電子(e-)で安定する。
ということは塩素原子は不安定な状態である。
そこで工夫し、他から電子(e-)を1個もらって8個で安定しようとする。
そうなると、プラス、マイナスのバランスが変わる。
中心の原子核は、陽子が17個でプラスの電気を帯びていると考えればよい。

ここに、余分に電子(e-)を取り込んだため、
マイナスの合計は17+1で18となる。
ということはプラスが17でマイナスガ18になり、
全体で差し引きマイナス1となる

こうして、塩素原子はマイナス1の電気を帯びてくるのである。
塩素は記号が(Cl)なので、共通記号を(Cl
-)で表す。


しかし、自然界にはもっと複雑な仕組みで、
マイナスイオンになるケースが存在する。
それは複数の原子が集まって集団を作りながら、
全体としてマイナスの電気を帯びるケースである。

例えば、硫酸イオンがそうである。
イオウ原子(S)と酸素原子(O)4個の合計5個の原子が集まっている。
全体で電子(e-)を2個取り込んでマイナス2のイオンになっている。
したがって、硫酸イオンは(SO
4--)と表す。

こういうケースはいろいろ存在してる。

ダイオキシンや農薬のような有害とされる化学物質は、
カルボキシル基と呼ばれる部分を持っている。
これは炭素1個と酸素2個とで集団を作り、マイナス1の電気を帯びている。(COO-)


 
注目しているマイナスイオンに硝酸イオンがある。
これは、窒素(N)1個と酸素(O)3個でできている。
全体として、マイナス1の電気を帯びている。
記号は(NO
3-)となる。
通常、硝酸態窒素と呼ばれている物質の一つである。

この硝酸態窒素と呼ばれる物質は、血液の中の鉄分に作用する。
私たちの血液が赤く見えるのは、
赤血球と呼ばれる血液の種類の色である。
この赤血球の中には、
ヘモグロビンと呼ばれる物質があり、鉄分を含んでいる。
この鉄分に酸素をくっつけて全身に運んでいる。
体内の毛細血管に中で、鉄分についた酸素が切り離される。
私たちはこの酸素を利用して生きている。
呼吸というメカニズムは、このようにして成立する。

ところが体内に侵入してきた硝酸態窒素は、
赤血球中の鉄分に強く働きかけ、
結果として鉄は錆びた状態となり、
毛細血管の中で酸素を切り離す事ができなくなる。

毛細血管の中で鉄が酸素を切り離せなかったら、
人の体は、微量な酸素欠乏状態になる。
通称、酸欠と言われる現象である。
特に母体内での酸欠は、赤ちゃんの脳の発達に影響があるといわれ、
中でも、妊娠3ヶ月までの影響が一番心配される。
この期間は、胎児の脳が発達する時期で、
妊娠中の一番注意が必要な時期である。


こうなると、マイナスイオンは体に良いのではなく、
場合によっては、赤ちゃんに脳障害を与える可能性が出てくる。
硝酸態窒素の酸素欠乏による毒性は、
青酸カリと同じほどの毒性レベルとの報告も存在している。

「マイナスイオンは、体に良い」という話は、
誰がどのような目的でこうした非科学的な話を広めるのか
わからないが、信じる信じないは個人の自由である。
しかし、未来の子どもたちにとってあまりにもひどい話である。

世の中には、ダイオキシンや環境ホルモンの問題を
指摘されたくない立場の人も存在する。
また、硝酸態窒素の問題を取り上げてほしくない
立場の人たちも存在してるであろう。

しかし、このことは、
子どもたちを破滅に陥れる可能性を持っていることであり、
未来を託す環境を破壊する事である。

石油化学によって、経済を発展させた日本である。
しかし、国民の多くは科学的基礎知識を持たないまま
生活している面がある。
そのため、真実を見抜く力に欠け、
風評やコマーシャルに踊ってしまう事実が発生している。
真実を知らないということは、恐ろしい事である。


硝酸態窒素という物質は、化学肥料や家畜の糞から発生しやすい。
その汚染は、地下水、河川、池、沼、近海にとどまらず、
最近では一部の水道水からも微量検出される。

太陽の光を十分浴びないハウス野菜などからも、
比較的多く検出されている。
ハウスは、光合成が不十分で、根から吸収した硝酸態窒素(窒素肥料)が
充分アミノ酸に変化していないためである。

現在では、施設内で抑制栽培された野菜が主流で、
季節の旬の野菜だけ食べるのは難しい。
そのため、マイナスイオンである硝酸態窒素は、
いたるところから私たちの体内に侵入してくる。
ただし、微量の場合は自然浄化の可能性もある。

その役割を果たすのが、ミネラルのプラスイオンである。
マイナスイオンの硝酸態窒素に対し、プラスイオンになったミネラル群が、
微量の吸着作用をしていると考えられる。

私たちは、食べ物やサプリメントで各種ミネラルを
体内に取り込んでいる。
そのとき、体に必要のない過剰のミネレルは、
プラスイオンのまま水に溶けた状態で尿の中に排出される。
このときミネラルのプラスイオンが、マイナスイオンの硝酸態窒素を
吸着して尿の中へ排出する。

この作用が、体内浄化(デトックス)である。
そしてこのデトックスをすることは、体質改善にもつながる。


プラスイオンやマイナスイオンを正しく理解する事は、
「何が必要で」「何が不必要」かということを、
納得しながら受け止める事が出来る。

原子や分子、そしてイオンのことを正しく理解できなければ、
真実を受け止められないし、
いい加減な話を、いい加減に伝えてしまう結果になってしまう。
こうなると、未来の子どもたちは真実を知る事ができなくなる。
「未来の子どもたちを守りたい」との思いで
多くの人たちに理解してほしいと願う。

「何が必要で」「何が不必要か」
このことを判断して、正しく社会へ普及させてほしい。
それは未来の子どもたちが安心して生活できる社会になり、
人間が人間らしく生きるための最低条件である。


ここで、マイナスイオンについてまとめてみる。


1.マイナスイオンのことを陰イオンともいう。

2.原子や複数の原子の集団に、電子(e-)が余分に取り込まれることがある。

3.電子(e-)が取り込まれると、原子や複数の原子の集団は、
  マイナスの電気を帯びてくる。

4.マイナスの電気を帯びた原子や原子の集団を、
  マイナスイオン(陰イオン)と呼んでいる。

5.よく知られたマイナスイオンの例には、
      塩素イオン (Cl-)    硫酸イオン (SO4--)
       炭酸イオン (CO3--)     硝酸イオン (NO3--)
       カルボキシル基 (COO-)  などがある。

6.マイナスイオンには、
  人の生命活動に対して、有害な作用をするものもある。

   

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