身体の健康と栄養のはなし   栄養学から考える食事と予防    ページ 3
  
  良いサプリメントの選び方(1)−チェックポイント
 健康ブームの影響で、今は実にさまざまなサプリメントが出回っています。同じ成分を配合しているとうたっている商品であっても、品質や値段は様々です。
  
 サプリメントを選ぶ基準は、まず第一に、自分にとって必要な成分が入った商品を選ぶことです。 例えば、ビタミンを補給したいのに、ビタミンがほとんど含まれていないサプリメントを飲んでも意味の無いことです。 また、粗悪なサプリメントを飲むと、余計な添加物の副作用などでかえって体調を悪化させてしまうことがあります。
 
 日本ではサプリメントは食品扱いですから、故意または過失により禁止されている有害成分が混入されているというような場合を除いて、粗悪なサプリメントを飲んで体調を崩したとしても、それは選んだ本人の責任になります。 ごく一部には、合成栄養素や賦形剤(ふけいざい)などを大量に用いたサプリメントや、有効成分がごくわずかしか含まれていないのに高価格のサプリメントもあります。
 
良いサプリメントを選ぶチェックポイントとしては、以下のようになります。
 
 1.成分が明確に表示されていること。
 2.原材料が明確に表示されていること。
 3.添加物を大量に使っていないこと。
 4.体内で有効に働く工夫がされていること。
 5.製品の品質管理が徹底していること。
 
 簡単に言うと、行き届いた品質管理のもとに自然素材から成分を抽出し、防腐剤や香料、着色料、賦形剤などの添加物は少量または無添加であり、高温加熱処理されていないものが最も品質の良いサプリメントであるといえます。
 
それでは、これらのチェックポイントについて、もう少し具体的に解説していきましょう。
  良いサプリメントの選び方(2)−添加物と安全性
 サプリメントには、自然界にある素材から成分を抽出し、それを凝縮して製品化したもの(ナチュラルベース)と、自然ではないものから化学合成して栄養素の分子をつくり、それを成分とした商品とがあります。
      
 化学合成してつくられた栄養素も安全性の面で、長期間にわたり継続して使用しなければ、一般的には問題ありませんが、やはり日常私たちが食べているような自然の食品に近いもののほうが、より安全であろうと思われます。
 
 また、本来サプリメントは栄養素以外のものは何も入っていないことが好ましいのですが、一般的に錠剤を作る場合、材料を固め、堆積を増やすための賦形剤(ふけいざい/増量剤ともいう)、材料を鋳型からはがれやすくするための滑剤、湿気を防ぎ飲みやすくするための光沢剤を使用します。
 賦形剤として使用されるのはショ糖脂肪酸エステル、ガラクトオリゴ糖、乳糖、デキストリンなどで、これらは大量に摂取すると下痢などを起こす危険性があります。
 滑剤には脂肪酸、炭酸マグネシウム、二酸化ケイ素などが使用されます。
 光沢剤にはワックス、シェラック、ミツロウなどが使用されます。
 炭酸マグネシウムはドロマイトと呼ばれる岩石から得られる賦形剤で、ワックスは石油から得られ、シェラックは昆虫から得られる光沢剤です。
 
 これ以外にサプリメントによく使われる添加物としては、防腐剤、人工甘味料、人工香料、合成着色料などがあります。 甘味料のアスパルテームは、多量摂取によって脳腫瘍を引き起こす可能性が指摘されており、やはり甘味料であるステビアは精巣への悪影響が指摘されています。
 一般的にサプリメントの添加物は、栄養素以上の量を使用する場合が多く、粗悪品に至っては7〜8割が賦形剤というサプリメントもあります。
 おいしそうに色や香りをつけたり、見た目に美しいアート形にしたもの、一般的なものよりも小粒にしたサプリメントなどは、人工香料や合成着色料、賦形剤などの添加物をたくさん使用しているものと考えてよいでしょう。
  良いサプリメントの選び方(3)−栄養素の吸収効率
高温加熱処理の欠点について
 日本で販売されているサプリメントの多くは、大量生産と低価格化を図るために、製造過程で高温加熱処理が施されています。
      
 本来、栄養素は酵素によって体内吸収が促進されますが、セ氏37度以上の温度で加熱すると酵素は壊れはじめ、セ氏55度以上の温度になるとビタミンなどの栄養素や有益な酵素の60%を空中離散させてしまうと言われています。 したがって、良いサプリメントのひとつの条件として、35〜37度ぐらいの低温処理でゆっくりと時間をかけて製造されたものであることが挙げられるでしょう。
 
栄養素が体内で有効に働く条件
 一般的に栄養素は単独では体内にうまく作用せず、他の栄養素との相互作用によって、はじめて働きます。
 たとえば、カルシウムはビタミンDの働きがあってはじめて骨に吸収されます。
 また、骨粗しょう症の予防などのためにカルシウムを摂取する場合は、補完関係のあるマグネシウムとのバランスが重要になります。 さらに骨が成長するためにはビタミンD、K、Cなどの栄養素の働きも必要になります。
 皮膚や粘膜を健康に保ち脱毛や白髪を予防するといわれるビオチンは、ビタミンA、B2、ナイアシン、B6などの協力があって働きます。
 赤血球の働きに重要な鉄は、銅の助けがあって体内でヘモグロビンを形成します。
 したがって、体内に吸収されやすい工夫として、様々な栄養素が組み合わされたサプリメントを選ぶことが好ましいと言えます。
その他
 消費者の立場に立って医学的・科学的な視点でサプリメントの調査・研究を行なっているNPO日本サプリメント協会では、信頼できる製品の条件を考えるにあたり、製品そのものの安全性や機能性はもちろんのこと、企業の情報公開や社会貢献の姿勢、販売内容やこれまでの実績などの情報も大切な要素ととらえて検証しています。