【緊急アピール】

アシネトバクター感染症について


            
知らずにいることがどれほど怖いか?


多剤耐性菌?


医療崩壊 医学の進歩が生んだ怪物「多剤耐性菌」

帝京大学病院院内感染の「犯人捜し」は更なる医療崩壊を招く

帝京大学病院はどこまで本気だったのか

書類で通達さえ出せば責任を逃れられる厚労官僚が、現場の疲弊を加速させている


 厚生労働省は6日、帝京大学病院(東京都板橋区)で院内感染を起こした多剤耐性菌の全国調査に乗り出す方針を決めた。
 独協医科大学病院(栃木県)で見つかった別の新タイプの多剤耐性菌への対応も検討し始めた。
いずれも海外で先行して感染が広がっており、国内での拡大に危機感を強めている。

 帝京大学病院で発生したのは複数の抗生剤が効かない細菌アシネトバクターだ。
健康な人なら感染しても自分の免疫力で抑えられるほどの毒性
だ。
福岡大学病院や藤田保健衛生大学などで一昨年から今年にかけ、20人以上の患者が院内感染しており、集団感染事例が増えている

 一方、6日に独協医科大学病院がインドから帰国した患者から見つかったと発表したのは「NDM1」という新型の多剤耐性の遺伝子を持つ大腸菌だ。
インドやパキスタンで広まっているとみられている

欧州では、多くの人が医療費が安い現地へ美容外科手術などを受けに行く。治療の際に感染し帰国する例が問題になっていた。

 国立感染症研究所の荒川宜親・細菌第二部長は「大腸菌は誰もが持っている。
必要以上に怖がることはないが、(健康な人でも)膀胱(ぼうこう)炎などの症状がある場合、原因の可能性もあるので早めに医療機関を受診して欲しい」と呼びかける。

 英医学誌ランセットの姉妹誌に8月に掲載された論文ではインドやパキスタン、英国などで見つかった180例を分析
「NDM1は他の菌にうつりやすく、他の菌が多剤耐性化する危険性がある」と警告している。
すでに海外では、毒性は強くない菌だが、肺炎桿(かん)菌でも広まっている。
食中毒を起こすサルモネラなど毒性の強い菌にうつる恐れも指摘されている。

 世界保健機関(WHO)は論文を受けて「各国政府は耐性菌の発生をきちんと監視すると同時に、抗生剤の誤った使い方を是正し、医療従事者らに手洗いなどの感染対策を徹底するよう改めて周知して欲しい」という声明を出した。

 アシネトバクターは集団感染例が複数出始め本格的な拡大が心配される。
NDM1は集団感染ではないが1例目だ。 厚労省や研究者は警戒を強めている。


日本の場合
 ウイルス性であることが大部分である風邪に、ウイルスには効かない抗生物質を出すという投薬が長年漫然と行われてきた。
そのため抗生物質を出してくれる先生はイイ先生という誤った認識が広がっている。
しかし、 不要な抗生物質の濫用は、耐性菌を増やすだけなのである。

WHOの 抗生剤の誤った使い方を是正 という勧告に、一刻も早く従うべきだ。

ところで、なぜ昨年には多剤耐性アシネトバクターによる院内感染が判明していた帝京大学病院で、これまで感染症対策委員会がうまく機能してなかったのか、という点について、貴重なコメントがあったので、掲載しておく。


概ね同意なんですけど、帝京の場合特定機能病院にしては感染制御のレベルが低すぎた憾みはなしとしませんね。
特に感染症対策委員会が十分に機能していなかったんではないかという感じがします。
厚労省は何かあるとすぐに「病院内に○○委員会を設置せよ」とお達しを出します。
病院側ははいはいと形だけのなんちゃって委員会をでっちあげる、というか議事録を作成する、というのが常なんですが、
感染症対策委員会だけは「なんちゃって」では済まされない、本気でやんなきゃただじゃおかないぞ、というのが最近の流れです。

どれくらい本気かというと、この委員会だけは出席者が名指しで決められている。院長看護部長事務長薬局長検査部門の責任者、代理出席はNG。
適当な議事録でお茶を濁していたら、監査の時に議事録と出勤簿をつき合わせて「この日は薬局長は定休のはずですが」とやられちゃう。

「ちゃんと会議はやったし、副薬局長が出席してました」と言ってもアウト。委員会自体が成立していないことにされちゃう。他の議事録も「クロ」扱いされる。

そうするとどうなるかというと、他の委員会と違って感染症対策委員会は入院基本料を算定する根拠の一つになっているから、入院基本料の「自主」返還を要求される。ちっちゃいとこでも月数億、何ヶ月分返すのかは向こう様の腹一つ。 簡単に病院を潰せます。

それくらいペナルティが大きい「本気の」委員会なんですよ、というのを、帝京がちゃんと理解していたのか?

 だってアシネトバクターが出たなんてトピックス、その月の委員会に上がらなきゃおかしいもん。
ひょっとして「なんちゃって委員会」のままだったのかも。もしそうなら、帝京やっちゃったな。弁護できない。特定機能病院返上くらいあるで。

だって感染制御のスタッフを拡充するのはお金がかかるけど、委員会をちゃんと運営するのはコストゼロで、やる気の問題だもん。
そのうち「帝京大学病院、感染症対策委員会機能せず。院長不参加が常態」だなんて見出しが踊るんじゃないかしら。
果たして、帝京大学病院での感染症対策委員会運営がどうであったのか、今の段階では分からないのだが。


流行は?


 アシネトバクター( Acinetobacter )は、土壌や水の中によく見られる細菌です。
医療従事者など、健康な人々の皮膚にも見られることがあります。

アシネトバクター属(genus Acinetobacter )には、病原性のあるいろいろな"種(しゅ:species)"が属していますが、アシネトバクター-バウマニ( Acinetobacter baumannii )という"種"による感染例が、アシネトバクター感染症の報告例の約80%を占めます。


 アシネトバクターは、病院内にも存在して、ときとして、院内感染、日和見(ひよりみ)感染を起こすことがあります。
日和見(ひよりみ)感染とは、体力・免疫力に問題のない人では病気を起こすことがほとんどないような微生物が、体力・免疫力の弱まった人に感染して病気を起こすような場合を言います。
 入院患者には、体力・免疫力の弱まった人が多いので、院内感染では日和見(ひよりみ)感染が多いです。

 旅人はその日の日和(ひより)を見て晴れなら出発、雨なら今日も宿で雨宿りと決めたりします。
日和見(ひよりみ)感染の微生物は、その時の人の体力・免疫力を見て、問題のない人に対しては静かにして、弱まった人に対しては襲いかかっているようにも見えます。
 体力・免疫力の弱まった人での感染では、アシネトバクター感染症が死因となる場合や、死亡に寄与する場合がありえます。


 アシネトバクターによる集団感染が病院の集中治療室(ICU:intensive care unit)や病棟などで重症患者に見られることがあります。
 アシネトバクター-バウマニによる肺炎が病院以外で発生することは少ないですが、アルコール依存症患者、喫煙者、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者、糖尿病患者、肺がん患者、腎不全患者、肝硬変患者、高齢者などで見られることがあり、致死率は40-64%と高いです。咳・発熱・呼吸苦で発病し、急激に呼吸不全・ショックへと進み、敗血症ショックや多臓器不全などで死に至ることがあります。


 アシネトバクター-バウマニは、暖かく湿っぽい環境を好むとされ、アシネトバクター-バウマニによる肺炎の発生は、
熱帯・亜熱帯の国(オーストラリア・クウェート・トルコ・台湾・タイ・パプア-ニュー-ギニア)で多く、また、暖かい季節(北半球では4-10月)に多いです。

 また、アシネトバクターが健康な人々の皮膚等で保持されている率も季節により差があり、香港の看護学校新人生および医学生では、冬季の32.2%に対して、夏季では53.4%と高率でした。


 近年、アメリカ合衆国におけるアシネトバクター-バウマニ感染症患者において、イラクやアフガニスタンで戦った帰還兵が増えています。
アメリカ合衆国の軍隊におけるアシネトバクター-バウマニ感染症患者の増加は、イラクにおける戦闘開始直後の2003年3月から見られました。
外傷を負ったアメリカ合衆国軍の兵士の多くは、ドイツのLandstuhl区域医療センターやアメリカ合衆国のWalter Reed陸軍医療センターへ搬送される前に野戦病院で応急的な処置を受けます。
アシネトバクター-バウマニ感染症は、これらの医療センターで入院時あるいは入院後まもなくの検査で明らかになっています。
外傷を負う前に皮膚にアシネトバクター-バウマニを保持していたか、外傷を負った際に土壌からアシネトバクター-バウマニを得た可能性があります。
 野戦病院内の環境中からも物品等の表面からアシネトバクター-バウマニが分離されていて、遺伝子的な分類でも、患者から分離されるアシネトバクター-バウマニと合致するものでした。野戦病院内でアシネトバクター-バウマニを得た可能性もあります。

 上記のアメリカ合衆国での状況と似た状況が、アフガニスタンで外傷を負ったカナダ軍の兵士たち、イラクで外傷を負ったイギリス軍の兵士たちでも見られています。


どんな病気?


 アシネトバクター感染症は、アシネトバクター( Acinetobacter )という細菌によって引き起こされる感染症です。

 アシネトバクター感染症には、肺炎、敗血症、尿路感染症、髄膜炎、創傷・火傷の感染などがあります。
アシネトバクターによる肺炎の症状としては、発熱、悪寒、咳などが見られます。
一方で、傷口や気管切開の部分に、存在していても、何の症状も起こさない場合もあります。

 アシネトバクター感染症の治療には、抗生物質が使用されます。
しかしながら、よく用いられる抗生物質の多くが無効な場合(多剤耐性)がしばしばあり、注意が必要です。
多剤耐性(multidrug resistant : MDR)のアシネトバクター感染症の治療は難しいです。
病巣から分離されたアシネトバクターに有効な抗生物質を使っての治療が原則となります。


 平成21 年(2009 年) 1 月23 日、日本のある大学病院から、多剤耐性(複数の薬が効きにくい)アシネトバクター(Acinetobacter baumannii)による“院内感染”の発生の報告がありました。

 3 ヵ月の間に大学病院の救命救急センターの集中治療室を中心に複数の患者が多剤耐性アシネトバクターに感染しており、2008 年10 月から2009 年1 月までに23 名の患者から多剤耐性アシネトバクターが分離されました。
感染が確認されたアシネトバクターは日本で利用可能な一部の抗菌薬(ミノサイクリン、イセパマイシン)で治療が可能ですが、他のほとんど全ての抗菌薬に耐性を示しています。

 大学病院が多剤耐性アシネトバクターによる院内感染ではないかと認識したのは2008年12 月1 日です。
その時点で8 名の患者から同じ薬剤耐性パターンを示すアシネトバクターが分離されていました。
大学病院では、直ちに、同集中治療室の対策確認と接触感染予防策の強化を行いました。

 遡って調査を行った結果、同じ耐性パターンを示すアシネトバクターが最初に分離されたのは、2008年10 月20 日に大学病院に入院となった患者であることが判明しました。
この患者は渡航中に韓国の病院へ入院後、状態が悪化し、集中治療を受けたまま、大学病院の救命救急センターの集中治療室へ入院しました。

 23 名の患者全員が入院の契機となった基礎疾患が重症であり、22 名が大学病院入院後、人工呼吸器の管理を受けた病歴があります。
2009 年 1 月23 日現在で死亡者は4 名です。大学病院の内部調査では2 名は死因と無関係、残り2 名は死因への関与の可能性は低いと考えるが、全く関係が無いとの断定は困難と判断されました。


 アシネトバクターは環境中に普遍的に存在する菌である事から、2 回にわたる環境調査を大学病院は行いました。
2 回目の環境調査の結果、人工呼吸器装着2 日目と4 日目の2 名の患者の装着器材(バイトブロック)より、多剤耐性アシネトバクターが検出されました。
この他、消毒済みのバイトブロックからもアシネトバクターが検出されました。大学病院では、標準的な感染対策に基づき、同器材を消毒後に再生使用をしていましたが、環境調査の結果判明後、個別使用に切り替えました。

 2009年1月23日現在では、2009年1月15日を最後に大学病院では新たな感染患者は発生していませんでした。
 なお、その後、3名の患者から多剤耐性アシネトバクターが分離され、多剤耐性アシネトバクターが分離された患者は累計26名となりました。
最後に分離されたのは2009年1月28日のことで、以後、新たな感染患者は発生しませんでした。
26名の患者について、多剤耐性アシネトバクターが検出されたのは、喀痰と創部でした。
喀痰から多剤耐性アシネトバクターが検出された患者は、全員、人工呼吸器管理を受けていました。

創部から多剤耐性アシネトバクターが検出された患者は、救命救急センター以外の病棟でも認められて、医療従事者の接触による二次感染が疑われました。
26名の患者とバイトブロックから検出された多剤耐性アシネトバクターは、パルスフィールドゲル電気泳動法によるタイピング解析で同一の遺伝的背景を持つことが確認されました。
多剤耐性アシネトバクターの菌血症となった患者や多剤耐性アシネトバクター感染が死因となった患者はいなかったとのことです。


病原体は?


 少なくとも25%の健康な人が、アシネトバクター属(genus Acinetobacter )の細菌を皮膚に保持しています。
特に湿りがちな場所である、わきの下、股間、足指の間などに保持しています。
健康な人の口の中や気道から検出されることも、ときに、あります。
しかし、入院患者以外で、皮膚以外の場所からアシネトバクター属の細菌が検出されることは通常は少ないです。

 入院患者が、アシネトバクター属(genus Acinetobacter )の細菌を保持している率は高いです。
アシネトバクター感染症の集団発生が起きているようなときには、より高いです。


 アシネトバクター属の細菌は、遺伝子での分類では19の"種(しゅ:species)"に分類されます。
よく分離されるのは、分類No.2のアシネトバクター-バウマニ( Acinetobacter baumannii )です。
他には、Acinetobacter johnsonii Acinetobacter lwoffii Acinetobacter junii などが、比較的多く分離されます。

 アシネトバクター(Acinetobacter )の英字の綴りについては、a(非)cineto(運動性の)bacter(桿菌)という意味です。
aについては、「欠く」、「ない」の意味です。
cinetoについては、ギリシャ語のkineo(動く)に由来し、kineto-では「動きのある」の意味です。

アシネトバクターは、鞭毛を欠き、動きがありません。
形としては、増殖サイクルの増殖期には丸みをおびた短い棒状の桿菌ですが、定常期には球菌のような球状の形態となることもあります。球状の形態が連なって双球菌のように見えることもあります。

 病原体のアシネトバクター-バウマニ( Acinetobacter baumannii )の英字の綴りについては、baumannii の部分が誤って綴られていることがよくあります。baumanii baumanni baumani などと誤って綴られていることがあります。
Coccidioides immitis (コクシジオイデス症の真菌の病原体: Coccidioides の部分が、Coccidiodes Coccidoides Cocidioides Coccidioidis と綴りが誤られることがあります。)、Coxiella burnetii (Q熱の病原体:burnetii の部分が、burneti burnetti burnettii と綴りが誤られることがあります。)、Tropheryma whipplei (Whipple病の病原体:whipplei の部分が、whippelii whippleii whippeli と綴りが誤られることがあります。)などと並んで誤られやすい綴りとされます(参考文献6)。

 多剤耐性のアシネトバクター-バウマニ(Multi-drug resistant Acinetobacter baumannii ) については、 MDRABと略称されることがあります。

 アシネトバクター-バウマニ( Acinetobacter baumannii )のバウマニ( baumannii )については、アシネトバクター( Acinetobacter )の研究で功績のあった、アメリカ合衆国の夫婦二人とも微生物学者のPaul and Linda Baumann夫妻の栄誉を称えての命名です。Baumann夫妻に因んでの微生物の命名は、他に、Oceanimonas baumannii Candidatus Baumannia cicadellinicola があります。
 また、アシネトバクター( Acinetobacter )の研究で功績のあった、John L. JohnsonとElliot Juniの栄誉を称えて、Acinetobacter johnsonii Acinetobacter junii が命名されています。


感染経路は?


 
当初は欧米で多剤耐性アシネトバクターが問題となり、
近年は中国や韓国、東南アジア諸国でも流行が報告されるようになっています。
米国では、1990年代に多剤耐性アシネトバクターによる病院感染事例が多発し、
その後全米の医療施設に急速に広がりました。

 日本で検出される多剤耐性アシネトバクターは、
その多くが海外から流入してきた菌株と考えられています。

過去に知られている集団発生は、2008年福岡県であり、
単発例としては、2009年千葉県や2010年愛知県の事例があります。

厚生労働省の
院内感染対策サーベイランス(Japan Nosocomial Infections Surveillance:JANIS)によると
2007年7月から2009年12月までに報告されたアシネトバクター属の中で、
多剤耐性アシネトバクターと判定された菌株は71,657株中98株(0.14%)でした。
多剤耐性アシネトバクターは9割が入院患者から分離されていました。

同期間中に急激な増加は認められていません。


しかし、多剤耐性アシネトバクターは、
一度発生すると病院内に広がることがあります。

特に人工呼吸器のような湿度の高い環境を好む一方で、
乾燥した環境でも数週間以上生存できることが知られています。

このため、人の皮膚や医療機器、てすり等の院内環境に生息します。
手洗いや消毒が不完全であると、
汚染された医療器具や医療従事者の手などを通じて、
他の患者に伝播することがあります。
したがって、
主な感染経路は接触感染となります。

呼吸器感染症をきたした場合は、
そこから飛沫感染の形で伝播する可能性がありますが、
健康な人へ乾燥状態の空気感染することはありません。



予防のためには?


 健康な人が、体力・免疫力の弱まった人へ
病原体のアシネトバクターを運んでしまうことが心配されます。

 アシネトバクターは、乾燥にも強く皮膚や環境中で数日間は生存可能です。
乾燥した平面上で黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus )と同等
あるいはより長期に生存することがあります。

乾燥したろ紙上での観察によれば、
生存期間は、大腸菌や緑膿菌が24時間以下、
アシネトバクターが6日まで、
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus )が7日でした。

(なお、ブドウ球菌はグラム陽性でアシネトバクターはグラム陰性であり、
まったく違う細菌ですが、似ている点もあるため、
アシネトバクターを「グラム陰性のブドウ球菌」とたとえる研究者もいます。)

 アシネトバクター感染症の集団発生中の小児科集中治療室での観察によれば、
電話受話器・ドアの押し板・患者のチャート・卓上などでアシネトバクターが認められ、
医療スタッフの手によってアシネトバクターが運ばれたと考えられました。
 アシネトバクターが手に付着して運ばれてしまうことが心配されます。
手をよく洗うことは、予防のために役立ちます。

 アシネトバクターは、通常、70%エタノールや50%以上の濃度のイソプロピルアルコール等の
アルコール系消毒薬により死滅します。

 空気がアシネトバクターで汚染してしまうことがありえます。
あるアシネトバクター感染症の集団発生では、
加湿器がアシネトバクターで汚染していました。
加湿器から10メートル離れた場所の湿気を含む空気からも
アシネトバクターが検出されました。
医療の場で使われる機器の衛生管理は適切に行いましょう。

 アシネトバクター感染症に対する予防接種(ワクチン)は、存在しません。



しかし、こうした中で自分を守るためには、対処法を確認しておかなければなりません。

一番の対処法は、こうした細菌に負けない丈夫で健康な体を維持することなのです。
意外と忘れられているこのことが、これからの健康生活の中で、もっとも大切で重要なことなのです。

病気になったら、病院がある、医者がいる、薬があると、病気に対して考えるのではなく、
病気にならないためにはどうするのかを真剣に考えることが大切でしょう。

特にこうした耐性菌が力をつけるには、薬の乱用が一番なのです。
風邪をひいたら医者に行き抗生物質を使うと、その風邪の菌は一時弱まりますが、
菌はその薬に抵抗しようと菌じたいが抵抗力を上げてしまいます。
次に抵抗力の上がった風邪の菌に感染したらまた、抗生物質を使うとさらにその上を行きます。
菌の対抗性が上がる速度は日々速まっています。
そうした中でより力の強い菌が生まれてきます。

これが多剤耐性菌なのです。

今回の多剤耐性菌に間しても、健康体の人にも潜んでいる可能性がありますが、
発症するかしないかは、その人が健康でいるかいないかで、
健康でかつ免疫力が高ければ発症することはほとんどありません。

免疫力とは、自分自身が体内や外部の菌に負けない力なのです。
これを高めるには無理のない正しい生活、食事、栄養補給を行い、
適度な運動を交え体内機関を正しく働かせることなのです。

健康の基本は、部分的な対処で必要以上に栄養を補給するのではなく、
体全体をバランスよく動かすための栄養補給なのです。
体の機能が正しく動くためには、それぞれに必要な栄養素があります。
無意味な栄養補給はバランスを壊し、部分的な過剰供給になるのです。 

どうか正しい体調管理を学び、危険な細菌、ウイルスからご自身を守ってください。