3.免疫を担当する細胞たち

人間の免疫を担当する細胞は「白血球」である。
「赤血球」は主として栄養や酸素の運び役であるのに対し
「白血球」は人間の体を守ることを第一の役割としているが、
相手が細菌やウイルスの場合徹底的に攻撃しなければ守れない。
その上相手が悪い細菌やウイルスかどうかも判断しなければならない。


このように単純に白血球といっても
「判断」「連絡」「攻撃」「死骸処理」などさまざまな仕事が存在する。
仕事の種類によって担当を分担するため、「白血球」には何種類かの細胞が存在する。


「白血球」は、大きく分けて3種類の細胞に分けられる。
「顆粒球(かりゅうきゅう)」「リンパ球」「マクロファージ」の3種類である。
しかしこの3種類もさらに分かれてくる。
ここでは代表的な免疫細胞を説明しておくことで「バランス」を理解してほしい。



@ 好中球(顆粒球)


私たちは「ばい菌」という言葉をよく使う。これは人間にとって有害な細菌のことである。
怪我をしたとき傷口から「ばい菌」が侵入することがあるが、
そのとき先頭に立って対決するのが「好中球」であり、有害な細菌と戦いながら死んでゆく。
その死骸が「膿(うみ)」で、専門的には化膿と呼ばれる状態になる。
このことは「ばい菌」が侵入しようとした証拠である。

「好中球」の働き、初期段階で防げる場合はそれほど大きな問題はないが、
「好中球」をよけて細菌が侵入した場合は大変なので、
小さな怪我にも注意し清潔にして、「好中球」の活躍で終わるようにしておくことが大切である。


A NK細胞



これは、ナチュラルキラー細胞を省略して「NK細胞」と呼んでいる。
ナチュラルは「自然」、キラーは「殺し屋」という意味に理解してほしい。


「NK細胞」は、休むことなく働いているので自然に働く殺し屋と言われるゆえんである。
「NK細胞」の攻撃相手の代表は悪いウイルスと、がん細胞である。
敵を確認すると、「キラーT細胞」や「マクロファージ」と協力し攻撃してくれる。
私たちは外からのウイルスと、内部のがん細胞と常に戦っていく必要があり、
中心的役割を「NK細胞」が果たしてくれている。


がん細胞は体の中で、常に発生しているが増殖して癌が発病しないように「NK細胞」が頑張っている。


この休むことなく私たちの体を守ってくれる免疫細胞の仕組みを専門的には「自然免疫」と呼ぶ。


今後自然免疫を利用する研究はますます進化して発展してゆくと確信している。
そのために私たちは、世界中の研究者たちが何を研究しているのか
常に最新情報を得るようにしてもらいたい。



B マクロファージ



マクロは「大きい」ということです。ファージは「あさるように食べる」と解釈してほしい。

「マクロファージ」が食べてくれるのは、細菌やウイルスだけでなく
体の中で発生した不要な物質も食べてくれる。
例えば、古い血液や「NK細胞」が攻撃し弱ったがん細胞なども食べてくれるので、
「マクロファージ」は別名「体の中の掃除屋さん」とも呼ばれている。

発病したがん細胞が消えた時、メカニズムの説明は免疫細胞の活躍である。
「NK細胞」や「キラーT細胞」ががん細胞を攻撃し
「マクロファージ」が食べるという説明が一般的で
私たちに一番分かりやすい説明である。

もちろんがん細胞が消えるメカニズムにはもっと複雑なことが関係するが、
「マクロファージ」が大活躍していることは確かである。

事実「マクロファージ」は「NK細胞」から情報を受けたり、
ほかの「免疫細胞」に情報を発信していることは、
科学的に証明されている。

「マクロファージ」は、掃除屋さんになったり情報の受信、発信などで
常に働いている自然免疫細胞である。



C B細胞



人間には都合の悪い異物が体に入ってくる可能性がある。
この異物のことを専門的には抗原と呼んでいる。

こうした異物(抗原)は全て「NK細胞」や「マクロファージ」では処理できない。
そのとき免疫のシステムで別な工夫がなされる。

その工夫を担当するのが「B細胞」で、異物に対しミサイルのような攻撃物質を作り出す。
この物質のことを「抗体」と呼んでいる。


例えば「はしか(麻疹)」に感染したときこの「はしかウイルス」に対し、
B細胞は「抗体」を作り「はしかウイルス」を攻撃してくれるが、
この抗体は、はしかが治った後も体の中に残り
次の「はしかウイルス」が侵入してもすぐに始末してくれるため、
ほとんどの場合「はしか」を再発しなくて済むのである。


「B細胞」が作る抗体は、大きく分けて5種類存在する。
よく新聞や雑誌では、専門記号で表されているので知ってほしい。


「IgM」 「IgA」 「IgG」 「IgE」 「IgD」
の5種類であり、
一番多く作られるのは 「IgG」 という抗体である。


そして話題になるのが 「IgE」 という抗体で、
花粉症などは 「IgE」 抗体が過剰に作られていることが分かってきている。
抗体が過剰に作られると、体も過剰反応を起こしてしまう。
これがアレルギー反応のメカニズムと考えればよい。

近年、卵や牛乳のタンパク質に過剰反応する子どもが増えている。
これは免疫の混乱で、この混乱がさらに複雑な症状を引き起こすという。
本来、外部からの異物を攻撃するはずの抗体が、正常な細胞まで攻撃する。
自己免疫とか自己免疫病と呼ばれる現象である。


なぜ、こうした現象が起こるかは、医学的解明は継続中であるが、
環境ホルモンのような、
合成化学物質有害化学成分
大きな原因の一つとの指摘がされている。

一日も早く、科学的解明がなされることを願う。



D T細胞



免疫細胞では、常に休むことなく活躍してくれている
「NK細胞」や「マクロファージ」が存在してる一方
「B細胞」のように緊急対応に待機する細胞がある。
これが「T細胞」と呼ばれる細胞である。

「T細胞」は胸腺というところで完成している免疫細胞軍団である。
そしてこの「T細胞」の主役は、「ヘルパーT細胞」であり、全体の司令塔の役割をする。


「マクロファージ」からがん細胞の発生やウイルスの侵入が伝わると
「ヘルパーT細胞」は各免疫細胞に指令を出す。
そして「T細胞」以外「B細胞」にも抗体を作る指令を出す。


私たちを守る免疫システムは、直接戦う細胞と、抗体を武器に戦う細胞が活躍し守ってくれる。


ところが問題もある。「ヘルパーT細胞」指令を出し続けることがある。
そうなると正常な細胞を攻撃してしまうので「サプレッサーT細胞」が全体のブレーキ役で登場する。


そのため、司令塔の「ヘルパーT細胞」とブレーキの「サプレッサーT細胞」は
コンビとして常にバランスを保つ必要がある。

このバランスを保つことが「きちんと働く」ことであり、
バランスが保てなくなったときに、
私たちの免疫システムは、さまざまな混乱を起こす。
そしてバランスの乱れから免疫低下や免疫過剰となって、病気の発症につながってくる。


これで、「きちんと働く」ことを理解していただけたと思う。


私たちは、自己防衛しか方法がないと考えるべきで

もっとも有効な手段が体質改善である。

そして、安全でバランスの良い栄養補給である。