新しい歴史の創造               


 ▼危険な歴史を忘れずに▼

ベトナムで何が起こっているのか
  
(ダイオキシンの怖さ)


子どもたちの立場に立って環境問題を追及するとき、
環境ホルモンと呼ばれる合成化学物質の代表は、
ダイオキシンとPCB(ポリ塩化ビフェノール)である。

ダイオキシンの問題はきわめて深刻で、
その恐ろしさを教えてくれたのが

「母は枯葉剤を浴びた(ダイオキシンの傷あと)」

中村悟郎著(新潮文庫)であった。

ベトナム戦争で使用された枯葉剤に、
ダイオキシンが含まれていたことは、広く報道されている。

ベトナム戦争が終わり
ベトナムに平和が取り戻されたと
思ったのは一瞬であった。
ベトナム各地で次々と
新生児の誕生に関する問題が
発生したのである。

同著での報告を一部紹介する。

1979年(昭和54年)1月から、
1982年(昭和57年)8月までの
妊娠数7300件に関する報告がなされている。

流産、早産、胞状奇胎、新生児死亡をあわせると、
分娩までの胎児死亡率は52.5%に達したとされている。

また、何らかの障害を持つ
先天性異常は2.1%だったと報告されている。
そして、特に難病だったとされた
57人の障害別の内訳が報告されている。

ベトちゃんドクちゃんで知らされた
融合胎双生児   2
無脳症      8
水頭症      4
巨頭症      1
無眼球症     4
唇裂・口蓋裂   9
臍帯ヘルニア   4
脊髄瘤      1
あざらし肢症   4
内反足・外反足  4
合指症      1
その他     15
という報告であった。

こうした新生児の問題は、
孫の代でも発生している

すなわち、現在でも続いているという事である。
「ダイオキシンでこんな事が起こっている」という
事実を直視して、正しいと思ったら、
安全を全てに最優先して行動しなければならない。

報告によると、1兆分の1g(PPt)レベルのダイオキシンでも
人体に影響を与えるとされている。
ダイオキシンに関しては、
人間の自然浄化作用が全く通用しない事を示している。

よく考えてみれば、当然である。
私たち人間は、地球環境の自然現象の中で、
進化しながら現在まで生き延びてきている。
なので、自然界に存在する有害元素に対しては、
ある程度の自然浄化作用の機能を発達させてきた。

一方、人間が勝手に製造した毒物「ダイオキシン」に対しては、
自然浄化機能が発達していない。
さらに困った事は、
一度自然界に出されたダイオキシンは、
分解するという事実が確認されていない。
ということは、次々と地球上に残留して
広く汚染が進行する事になる。

私たちは、ダイオキシンの恐ろしさを
あまりにも安易に考えている。
有害な農薬や食品添加物の問題とは、
その恐ろしさのレベルが全く異なる事を知るべきである。

ベトナムのダイオキシン汚染やPCB汚染は
戦争によって発生した。

日本のダイオキシン汚染やPCB汚染は、
経済大国、消費大国を追い求めた結果によって発生した。
全ての人が、そこでおきている事を直視してもらいたい。

なぜなら、汚染の被害をまともに受けるのは、妊娠3ヶ月以内の胎児であるからだ。
私たちは、あらゆる手段を検討して、
胎児である赤ちゃんを守る事に全力を注いでほしい。


へその緒からPCB



ベトナムでは、胎児のへその緒からダイオキシンが検出されたと伝えられた。
日本では、ダイオキシンと同じ仲間であるPCBに関するデーターが公表されている。


千葉大医学部からの発表である。
PCBの問題は、
カネミ油症事件として私たちの脳裏に
強烈な記憶として残っているのではないだろうか。
食用油にPCBが混入していたのである。
この食用油含まれていたPCBによる被害者は、
現在でも、その後遺症に苦しんでいると報告されている。

こともあろうに、
そのPCBがお母さんと赤ちゃんを結ぶ
へその緒から
検出されたというのである。



そして、
「微量だから問題はないだろう」
コメントが添えられてあった。

だが、特に発生3ヶ月以内の赤ちゃんにとって、
有害物質の安全基準などは、一切ない。
1個の卵から発生する人間にとって、
発生3ヶ月以内は急激な進化をする。
脳や心臓をはじめ、
人間にとって重要な器官の発生はこの時期である。
そして、ほぼ人間の形になるのが、
発生3ヵ月後である。

へその緒は、お母さんと赤ちゃんが結びついてる
ただ一つの器官である。
赤ちゃんはへその緒を通して
お母さんから栄養を送ってもらっている。

へその緒がPCBで汚染されているという事は、
胎児である赤ちゃんが汚染している可能性が大きい。
しかも、驚いた事に
調査対象となった赤ちゃん全員の
へその緒からPCBが検出されている事である。
日本中の胎児がPCBで
汚染されている可能性があることを示している。

かって、母乳がダイオキシンで
汚染されている可能性があるという
データーが発表された。

ダイオキシンやPCBは自然界に存在しない合成化学物質である。
体の仕組みは、自然に合成化学物質を分解したり、
浄化することが出来るようにはなっていない。

子どもたちや若者の中に、深刻な発達障害が見られても、
「親が悪い」「教師が悪い」と片付けている。
家庭と学校の責任さえ追及していれば、
問題の本質から目をそらす事が可能であり、
親も教師も反論する事はほとんどなく、
じっと批判に耐えているだけである。
親たたき、教師(学校)たたきは
日本のマスコミの中で、
ブームになっているほどである。
マスコミが本質を隠すようなことでは、
誰が本質を見極めればよいのか。

私たちはマスコミに躍らされることなく、
本質を見失ってはならない。
日本の子どもたちの混乱の陰には、
合成化学物質による複合汚染が潜んでいる事を、
きちんと受け止めなければならない。
自然を破壊し、
人工的な物質で社会を支えようとしても、
いつか破滅が待っているだけである。

自然と共存する安全な社会に向けて、
新しい歴史の創造に取り組まなければならない。


それが、やがては
未来の子どもたちに
美しい、環境に優しい、安全な国を
伝え残せることになる。