石 油 化 学

■ 青少年の発達障害 1           

日本は、戦後60年の歴史の中で、経済大国と言われるほどの
素晴らしい発展を成し遂げてきた。
今では、物質に恵まれ、豊かで安定した生活が送れる代表的な国として、
世界中から認められている。

この発展の中心的役割を果たしたのが、石油化学の技術開発である。
石油という地下資源を持たない日本では、石油利用の技術で産業を活性させ、
歩んできたが結果として、日本中どこに行っても石油化学で作られた物があふれてしまっている。

こうした事実は、当初あまり問題にされなかった。
むしろ、産業技術は世界の中で高い評価を受け、
「メイド・イン・ジャパン」の信頼度は、
世界各地に広がり続けた。

日本の石油化学中心の経済発展に、少し疑問が出始めたのは、公害問題の発生である。
経済発展に比例し、生活も豊かに、安定すると誰もが考えていた。
しかし、現実は逆の現象も出てきたのである。
石油化学技術の経済発展は、私たちの健康や発達に障害を与え始めたのである。

現在では、公害の問題を通り越し、環境ホルモンのような物質障害が、
問題視されさまざまな角度から指摘され始めている。

具体的には、
便利で有効であると信じていた一群の合成化学物質が、
人間の精神発達に障害を与えたり、
免疫の仕組みを混乱させたりすると指摘され始めている。
さらには、性の発達障害についても指摘されている。
中でも、青少年の間で発生している多様な問題が、
環境ホルモンと呼ばれる一群の石油物質と
密接な関係にあると、特に心配されだしたのである。
 


現在、青少年の中で発生している発達障害や混乱をまとめてみると、
おおむね次のように整理できる。

 

1. 精神的な発達障害(混乱を含む)
(1) 登校拒否や不登校
(2) うつ病や引きこもり
(3) 対人関係恐怖症(孤立症)
(4) 感情の激高(キレる・ぷっつんなど)
(5) 注意欠陥多動性障害(通称=多動症)
(6) 自閉症
(7) アスペルガー症候群(多動症的、自閉症的)
(8) 学習障害(通称=LD)
(9) パニック障害
(10) 説明のつきにくい言動や犯罪
 
2. 免疫に関する発達障害(混乱・疾患)
(1) アトピー性疾患(皮膚炎)
(2) 花粉症(アレルギー)
(3) 食べ物アレルギー
(4) 化学物質アレルギー
(5) 予防接種不可
(6) 虚弱体質(免疫力低下)
(7) 川崎病
(8) リウマチ、膠原病
(9) 潰瘍性大腸炎
(10) 白血病(低年齢での癌の発症) 
   
  3. 性に関する発達障害 
 (1)  性同一性障害(特に男性の女性化)
 (2)  精子の異常(精子数の減少)
 (3)  性器の異常(障害)
 (4)  子宮内膜症
 (5)  不妊症
 (6)  精巣がん、卵巣がん、子宮がん、乳がんの発症
   



このようにして、青少年の発達障害の全体像を見ると、
その原因が、一般に指摘されている教育問題だけではない事に、気づくはずである。

例えば、脳内化学物質として重要視されている「セロトニン」の分泌混乱が指摘されだした。
これについての説明は、甲状腺異常や混乱が主な原因とされ、
環境ホルモンと呼ばれる一群の合成化学物質が、
甲状腺ホルモンの分泌異常を起こすというのである。
「セロトニン」は、青少年の精神発達にきわめて重要な役割を果たす物である。
別名、人の精神活動を安定させる「安定型脳内化学物質」と呼ばれているほどである。

環境ホルモンの、合成化学物質が甲状腺異常を起こすなら、
結果として、青少年の脳内化学物質「セロトニン」の分泌異常につながり、
青少年の間で発生している精神発達障害の原因がここにあることになる。

すなわち、これが教育の取り組みだけでは解決できない問題なのである。

とにかく日本は、石油化学第一主義の経済発展を一日も早く見直す必要がある。
このままでは日本の社会は、人的資質から崩壊してしまう。
世界では、化学物質と人間の精神発達障害に関して、研究結果が次々と報告されている。

研究報告の一部を、まとめてみた。


・多動症の子どもは甲状腺異常による極端な低セロトニンである。
                    (アメリカ  サターフィールド博士)
・脳細胞が増える時期の化学物質による悪影響は生涯にわたる。
                    (世界自然保護基金  スモーレン博士)
・化学物質によるホルモン異常は動物の生殖異常をおこす。
                    (アメリカ  コルポーン博士)
・甲状腺ホルモン異常は精神発達生涯を起こす。
                    (ジョージア医科大学  スーザン博士)
・多動症の子どもは甲状腺異常による極端な低セロトニンである。
                    (アメリカ  サターフィールド博士)
・母親のPCB蓄積は生まれる子どもの知能生涯につながっている。
                    (ウェイン州立大学  ジェイコブソン博士)
・複数の化学物質が甲状腺の機能を撹乱すると脳発達障害につながる。
                    (米国環境保護庁  リンダ主任)
・化学物質過敏症は精神発達障害につながる。
                    (シカゴ大学  ランドルフ博士)
・セロトニン異常は犯罪や暴力行為の発生に深く関与する。
                    (『犯罪に向かう脳』モア、ジュセル共著 原書房)


このように多くの研究報告があるにも関わらず、日本では素直に受け入れる事をしない。
『問題が証明されなければ安全とする』との安全基準で経済発展を優先してきたからで、
『安全が証明されなければ危険である』という基準は、現在でも無視され続けている。

生活する人より、生産者優先。生産に使う合成化学物質で経済優先。
結果、人より物、人より経済優先し続けている。
安心・安全の社会、環境を壊さない社会生活は、多分に掛け声と概念論で終わってしまっている。

このままでは、日本の社会も、未来の子どもたちも破滅に向かって進むだけである。