もっと知りたい経皮毒


皮膚から身体に入る経皮吸収の毒 その2

 


皮膚は人体を守るバリアー


《悪玉菌から身を守る常在菌まで洗い落とす合成化学物質》

例えば、手をよく洗うと清潔を保てそうですが、ここにも落とし穴があります。
合成界面活性剤入りのボディーシャンプーやハンドソープなどで
手を洗いすぎると、皮膚の表面にある「常在菌
(じょうざいきん)」という
自己洗浄能力を持つ菌まで洗い落としてしまい、
肌がかさかさになったり、皮膚炎を誘発する可能性が高まります。

もともと人の皮膚の表面には「皮脂膜」という
脂分で出来た膜があり、10〜15種類くらいの常在菌が存在します。
この常在菌を含む体脂は、皮膚を弱酸性に保つ働きを持ち、
黄色ブドウ菌などの有害な細菌が、皮膚から侵入するのを防ぎます。

身体を守る常在菌まで、合成界面活性剤入りの
ボディーシャンプーやハンドソープなどで洗い落としてしまっては、
本来、人に備わっている防御機能まで弱めてしまいます。

皮膚は、汗をかき体温を調整する機能や、
体から水分の蒸発を防ぐ機能や、
外部の侵入物から内部組織を保護する機能などを、持ち合わせています。
その皮膚は、表面から順に「表皮」、
血管や神経のある「真皮
(しんぴ)」、
おもに脂肪の「皮下組織」の三層構造になっています。


皮膚の総面積は、大人の男性で
約1.8平方メートルたたみ一枚分に相当します。
表皮の厚さは0.06〜0.2ミリで、
表皮と真皮をあわせた厚さは1.5〜4ミリです。
皮下組織を含めた皮膚の総重量は
約9キロで体重の14〜16%で、
皮膚内を流れる血流は、
体全体を循環する血液の三分の一を占めます。

面積も重量も人体の組織として最も大きい皮膚は、
皮膚自体で絶えず新陳代謝を繰り返し、
生命保持に不可欠な器官としての役割を果たしています。


《「表皮」「真皮」「皮下組織」にはそれぞれの役割がある》

ここで、皮膚の三層構造それぞれの役割について説明しましょう。

外側にある「表皮」のいちばん外にある「角質層」は、
絶えず新しい皮膚細胞に取って代わる仕組みになっています。
皮膚の下で新しい細胞が成長するにしたがい、徐々に上に押し上げ、
表皮のいちばん上の角質層に育ってゆくというシステムです。

この角質層は、ケラチンやセラミド脂質で、水分は約20%しか含まれていませんが、
表面は脂質で覆われていて、
外からの異物を侵入させないバリアー機能があるのです。
ただ、この角質層はバリアーの役割をするため、
非常に短命で2、3週間で皮膚から剥がれ落ちて、
新しい角質層に取って代わられるのです。
こうした皮膚の新陳代謝を
「ターンオーバー」と呼びます。

新生児はこの「ターンオーバー」のサイクルが短く、
毎日剥がれ落ちる角質層の断片の数は、なんと百億にもなります。
日差しの良い室内でキラキラ舞う細かいチリの何割かは、
剥がれ落ちた角質のカスというわけです。

真ん中にある「真皮」は、プルプルしたコラーゲン線維で出来ています。
網目状に規則正しく組織が結合し、
皮膚に弾力を持たせます。

皮膚の中でいちばん深部にある「皮下組織」は、
脂肪を含み、疎水性(
そすいせい水となじみにくい性質)があり、
皮膚と体内の結合を維持する役割をしています。
ただしこの皮下組織は、表皮バリアーをくぐり抜けて侵入した
有害化学物質が】たまりやすい場所でもあります。


《皮膚細部はこうなっている》

皮膚は体の組織としても、最も大きい組織であり、
さまざまな機能を備えています。

拡大すると、1センチ四方の皮膚の中には、
総延長約92センチの血管が伸び、
12本の神経線維が走っていて、総延長約3.6メートル、
約10個の毛包、約15個の皮脂腺、約100個の汗腺があります。


また、皮膚に弾力性や耐水性があるのにも理由があります。
外界からの衝撃を吸収する、
暑さや寒さを調整する、
太陽光などの刺激や有害なウイルス、細菌などから、
身を守る働きを担っているからです。

ただし、いくら優秀なバリアーでも有害化学物質などの異物を
全て遮断できるわけではありません。
個人差や条件で異なりますが、接触した物質の0.5%程度は、
皮膚内部の皮下組織にまで侵入してしまいます。

その侵入パターンはふたつあります。
ひとつは角質細胞間の隙間からしみこみ、体内に侵入するケース。
今ひとつは細胞そのもの中にしみこみ、
隣り合った細胞を伝い体内の侵入するケースです。


喘息の薬や心臓発作を抑える薬、禁煙用のニコチンパッチなどが、
皮膚からしみて効能を発揮するのは、
こうした経皮吸収のメカニズムを利用したものです。




経皮吸収のしくみ


《皮膚バリアーを破壊する合成界面活性剤や溶解材》

私たちは海に潜っても、海水や海水中の物質が、
皮膚から吸収されることはありません。
もしも、海水中の成分が皮膚から吸収されたら、
塩分濃度が限界を超えて、死んでしまうでしょう。
そうならないのは、皮膚の表面が皮脂腺から分泌された
脂分というワックスでコーティングされているからなのです。

ただし、皮膚全体のメカニズムは、
自然界に存在する物質には有効でしたが、
合成界面活性剤をはじめとする合成化学物質は想定外でした。
合成界面活性剤や溶解材は石油を原料に、
分子構造を科学的に操作し、人工的に作り出したものです。

これは、自然界にはない物質で、
水と油を融合させる協力な界面活性作用があります。
自然界にあった物質で作られる界面活性剤とは比べ物にならないほど
強力な浸透力があります。

そうした合成界面活性剤や溶解材は、
汚れ落ちの良い家庭用洗剤や浸透力の強い化粧品に多用されています。
皮膚バリヤーの役目である皮脂膜を溶かし、
有害化学物質の体内侵入をしやすくするのです。

もともと、ケガや病気のときに薬の成分を、
皮膚から素早く体内に浸透させるため、
研究、開発がされたものでした。
医療現場で緊急処置として
一時的に許容範囲内で使用されていたのですが、
いつの間にか食品の添加物やシャンプー、リンス、化粧品などに
広く使われるようになってしまいました。


《体の部位で違う吸収率》

私たちの皮膚は、部位によって厚さが異なります。
手のひらや足の裏の角質層が約0.4〜0.6ミリあるのに対して、
顔は0.1ミリ程度の厚さしかありません。
当然、有害な物質も角質層が薄い部位ほど、侵入しやすくなります。


また、皮膚ではありませんが、口の中や肛門などの粘膜部分は、
角質層がないためバリアー機能は働かず、
吸収率は非常に高い部分です。

こうした粘膜吸収率の高さを利用したのが、
座薬で即効性があるのはそのためなのです。
同じ粘膜質の口の中も、歯磨き材の成分が吸収されやすいことになります。
微量でも有害物質が含まれているものは危険でしょう。


《赤ちゃんの肌は吸収率が高い》

年齢で吸収率に差があります。
成人に比べて子どものほうが高く、
高齢者に限っていえば、吸収率は子どもに近く
有害化学物質の浸透性は非常に高いです。
年齢による吸収率の違いで最も注意してほしいのは、赤ちゃんです。
とりわけ生まれたての新生児の皮膚は、
角質層が未発達なため、皮膚バリアー機能が働きません。
また、臓器も未発達なので、体内に入り込んだ毒物を
排泄する機能が十分に備わっていません。

そんな赤ちゃんが、生まれてすぐに殺菌洗浄剤のような
有害化学物質にさらされたとしたら????

経皮吸収された物質は、影響がすぐに出にくいこともあり、
問題視されにくいですが、有害化学物質の影響を受けやすい子どもたちが、
生まれたときから有害化学物質に接することは、
将来的に、大きなリスクを負うことになるのです。




経皮吸収はこうすると促進する


《分子量が小さい合成化学物質は浸透しやすい》

みなさんは、「分子量」と言う言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。

人の細胞は皮膚も含め、分子量500を肥える大きな物質は
通しにくい性質を持ちバリヤーとして働きます。
ところが日用品として出回るようになった合成化学物質には、
合成界面活性剤などに使われるラウリル硫酸ナトリウム、
シャンプーや乳液や化粧品に使われる溶解材の
プロピレングリコールのように、分子量が500以下で、
人体の脂に溶けやすい脂溶性物質が多いのです。

こうした溶解材は、歯磨き材や化粧品など日用品に幅広く利用され、
「有害性はきわめて低い」とされていますが、
それ自体、有害化学物質には変わりなく、
即毒性が起きない範囲で使用しているのです。

しかし、毎日使うことで体内に蓄積されてゆくことや、
他の物質が同時に使用されたり、
体内で複合的に蓄積された場合、
徐々に体内の機能が壊されてゆくことに変わりありません。


《傷ついた皮膚には有害化学物質は入りやすい》

経皮吸収率は皮膚の状態で大きく変わります。
傷病や肌荒れを起こしてる皮膚は、角質層が破壊され、
皮膚バリアー機能が低下しているために、健康な皮膚と比べて、
はるかに有害化学物質が侵入しやすくなっています。

例えば、化粧品などはいい例です。
化粧品に、洗顔石鹸、化粧水、乳液、メイク用化粧品などがあります。
しかし、これらの化粧品の乳化材には、
非常に強い合成界面活性剤が使用されているものが多く、
角質層を破壊して有害な物質を侵入しやすくします。
さらに防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤などの
合成化学物質が添加されている湿潤材、保湿剤を使えば、
その中に微量ではあっても含まれている
有害化学物質が着実に皮下組織に蓄積されてゆきます。
肌荒れの場合、蓄積量は格段に増えることになります。

また、皮膚温度が高い場合は、より有害化学物質は侵入しやすくなります。
一説には、皮膚温度が10度から37度に上昇すると、
経皮吸収率は10倍に跳ね上がります。
有害化学物質は、入浴時が最も侵入しやすいときだといえます。
入浴の際に使用する有害化学物質を含んだ
シャンプーやリンス、ボディーシャンプー、入浴剤などが多くあり、
有害化学物質にとっては、入浴のときが体内侵入の最大のチャンスなのでしょう。


《体内に侵入した有害化学物質はどこで、どうなるの?》

皮膚から吸収された物質は、いったん皮下組織に蓄積され、
一部排泄されるものもあれば、
長時間にわたり皮下組織にとどまって
その後、少しずつ血管やリンパ管を通って
体内の様々な器官に運ばれるものとに分かれます。

サリチル酸の人体実験では、
注射で血液に直接投与したサルチル酸は、
すべて24時間以内に、尿として排出されましたが、
湿布薬として皮膚に塗布したサリチル酸は、
数日間にわたり少しずつ尿として排出されるパターンであったのです。

当然皮膚から吸収された有害化学物質も、
この実験と同じパターンをたどります。
実は、このことが

「経皮吸収毒性」

最も深刻な問題なのです。

私たちは、シャンプーやリンス、ボディーソープ、
化粧品、シェービングクリームなど、
皮膚から吸収しやすい有害化学物質を含んだ日用品を毎日使用しています。

皮膚から吸収された有害化学物質は、
サリチル酸が体内蓄積したように、継続的に毎日少しずつ蓄積され、
常に有害化学物質を溜め込むことになるのです。

皮下組織に蓄積された有害化学物質は、
血管から血液循環の流れにのって体内を巡るものと、
リンパ管から体内を巡るものとに分かれます。

血液の循環に乗った一部の有害化学物質は他の老廃物とともに、
肝臓にまわり、酵素によって解毒され、
尿や便として体外に排出されます。

一方、リンパ管に流れた有害化学物質は、リンパ液とともに体内をめぐり、
ところどころで血管と合流・分流を繰り返しながら、
全身に点在するリンパ節を経由してゆきます。
このリンパ節ルートには、
肝臓のように有害化学物質を解毒する臓器はありません。
つまり、いったんリンパ管に流れ込んだ有害化学物質は、
解毒されることなく全身をめぐることになります。

そして、このリンパ管を通じて全身を巡る有害化学物質の怖いところは、
有害化学物質が気に入った組織細胞を持つ臓器や器官に出会うと、
そこにとどまろうとする性質があることです。
その結果、有害化学物質は特定の箇所に蓄積され始め、
有害化学物質の蓄積量が限界を超えたときに、
臓器や器官がざまざまな危険にさらされてゆくことになるのです。


《合成界面活性剤は皮膚を破壊するブルドーザー》

私たちが日頃使用しているの日用品の中で、
とくに有害性が指摘されているものに家庭用洗剤の主成分である
合成界面活性剤があります。
現在広く使われている家庭用洗剤は、
合成界面活性剤の働きで水になじみ、油脂の溶けやすい性質を持つので、
お皿や食器についた油分などをはがす効果があります。

天然の界面活性剤には脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウムの2種類があります。
これは固形石鹸などに使用されてきました。
しかしこの天然の界面活性作用を真似て作り出された、
石油原料の合成界面活性剤は、天然のものよりはるかに強力な作用があります。
つまり、脂汚れなどは落ちやすいのです。
けれど、天然と合成の大きな違いは、
天然の界面活性剤が微生物によって分解されるのですが、
合成界面活性剤は分解されにくいという性質を持っています。
川を急激に汚染し始めたのは、
この合成界面活性剤が家庭から大量に川に流れ込んでからでした。

現在、家庭用洗剤に使用されている合成界面活性剤で
有害な成分としては、
「ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)」
「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)」
「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(AES)」
「アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)」
「アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム(aASF)」
「アルキル硫酸エステルナトリウム(AE)」
「ポリオキシエチレンアルキルエーテル(POER)」
などが挙げられます。

ぜひ一度ご家庭内の洗剤を確認してみてください。

 

経皮吸収毒性から疑われるさまざまな病気


《ダイエット中に中毒症状で倒れる》

人の身体に有害化学物質の症状として現れやすいものに、
中毒症状とアレルギー症状があります。

有害化学物質の毒性に対し、体が急激に反応すれば中毒症状となり、
過分に反応すればアレルギー症状となって現れます。
ただし、経皮吸収毒性は時間をかけて体内に蓄積されるため、
症状が現れるまで自覚症状が出にくいという特徴があります。
本人が気付かないまま蓄積され続け、蓄積しきれなくなったとき
突然、症状が現れるケースが多いのです。

アメリカで、こんな一例があります。

農薬(除草剤や殺虫剤、育成剤)を使って、
自宅の芝生の手入れを日課にしていた太った男性が、
ダイエットを試みたところ突然農薬による中毒症状を起こしたのです。
男性の身体を調べると、皮下脂肪から農薬が検出されました。
男性はダイエットで体重を減らすことに成功しましたが
脂肪を急激に減らしたため、脂肪に蓄積されてきた農薬が行き場をなくし、
血液中に大量にあふれ出し、中毒症状を起こしたのです。


《合成界面活性剤は肌荒れや細菌感染のもと》

洗剤やシャンプーに含まれる合成界面活性剤で、
皮膚の脂分が取り除かれたり細胞膜が破壊されると、
皮膚バリアーは機能しなくなり、
有害化学物質は皮膚内部まで侵入することができます。
そうなると皮膚の抵抗力は落ちて、
肌荒れや細菌感染を誘発する原因となります。

有害化学物質の侵入で起こる最も多い皮膚障害は、
台所洗剤やシャンプーなどに含まれる
合成界面活性剤によって手の皮膚がひび割れする「主婦湿疹」で、
医学的には「進行性指掌角皮症
(しんこうせいししょうかくひしょう)
と呼ばれる症状です。
頭皮のかゆみ、フケ、抜け毛なども皮膚障害といわれます。
普段どおりの生活の中で、急に花粉症の症状が出たり、
洗剤を使って手荒れがひどくなったりしたら、
注意が必要です。
皮下組織の有害化学物質が許容範囲を超えて、
何らかの炎症を起こしていると考えられます。

また、女性は男性に比べてハゲにくいといわれますが、
近年、30〜40代の女性に髪の毛が薄くなる人が多く見られます。
これらも合成界面活性剤が含まれる
シャンプーやリンスが原因のひとつです。
さらに、乳幼児や新生児に対しては、危険度は急増します。
赤ちゃんは皮膚バリアーが未発達です。
その赤ちゃんに有害化学物質が含まれている紙おむつや、
布オムツでも洗濯後に合成界面活性剤が残っていると、
肌荒れ、かぶれになって症状が現れてしまいます。


《有害化学物質は様々なアレルギー疾患の原因》

アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎症、花粉症、
気管支喘息、化学物質過敏症、食物アレルギーなどは、
全て免疫反応といわれるアレルギー症状です。
アレルギー反応は、生体が持つ防御反応のひとつで、
外から侵入した異物(アレルゲン)である「抗原」に対し、
生体が作り出した「抗体」が、体内で過剰に反応を起こすものです。

どんな物質がアレルゲンになるかは、
人それぞれの要素や体質により、異なります。
しかし、身の回りの日用品には、
抗原となるアレルゲンを含む製品があふれています。
知らず知らずのうちに、
アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の原因物質を、
繰り返し体内に取り込み続けると発症することがあります。


《有害化学物質の皮下組織へ長期残留は発がん性もある》

私たちの身の回りには
100種類以上の発がん性を疑われている
有害化学物質があります。

合成界面活性剤に含まれる有害化学物質も、
発がん性を疑われる物質で、
皮下組織に侵入し長期間残留すると、皮膚がんが誘発され、
血液循環にまわれば、子宮ガンや乳がん、
前立腺がんなどを誘発する可能性があります。

合成界面活性剤と発がん性物質が
同時に皮下組織などから体内に循環した場合、
発ガン率が大幅に上昇します。

近年、ガンが急増していますが、
こうした合成界面活性剤の作用が大きく影響しています。


《肝機能障害や生体不全の危険性もある》

合成界面活性剤は、皮下組織に溜め込まれますが、
少しずつ血液に流れ込み、赤血球の細胞膜も破壊します。
こうした現象を「溶血
(ようけつ)」といいます。
赤血球には酸素を運ぶ「ヘモグロビン」という物質があります。
溶血が起きると、ヘモグロビンが機能を果たさず、
全身の臓器に酸素が不足し貧血症状を誘発します。

また、合成界面活性剤に含まれた有害化学物質が血流に乗ると、
肝臓も経由するので、肝細胞も破壊され、
肝機能障害を起こすリスクも負うことになります。

また、合成界面活性剤にはたんぱく質の構造を変化させる
「たんぱく質変性作用」物質もあります。
こうした物質は、体内の酵素タンパク質を変性させるので、
酵素による代謝が出来なくなり、
身体を健全に保つためには、障害となります。

さらに、消化酵素が働かなくなれば、
食物に含まれる炭水化物、脂質、たんぱく質などの
栄養素が分解できなくなり、栄養失調や体機能の衰え、
生命の危機さえを招く結果になります。


《経皮吸収毒性は神経伝達物質にも悪影響を与える》

有害化学物質のほとんどが、脂に溶けやすい「脂溶性」を持っています。
一方私たちの体内で最も大切な脳は、
60%が糖脂質などの脂肪から出来ています。
脂溶性をもつ有害化学物質が体内に入ったとき、
千数百億個あるといわれる脳細胞が影響を受けないわけがありません。

アルツハイマー病は加齢と共に増加すると見られてきました。
しかし、加齢と関係なく若者や子どもたちの間で、
認知症、パーキンソン病、自閉症や学習障害、
多動症、適応障害など、脳の病気が増加しています。

脳には本来、脳血管から神経細胞へと
有害物質がいかないように血液脳関門というバリアーがあります。
この血液脳関門は、脳を混乱させる物質の侵入を防ぐように出来ていますが、
有害化学物質は、神経細胞膜の脂肪に溶け込み脳内に侵入します。
脳からの命令を伝える神経伝達物質に悪影響を与えないことはありません。
なかでも乳幼児の脳は、脂溶性化学物質が最も蓄積されやすいとされています。

また、有害化学物質を含む家庭用洗剤の使用には、
もうひとつ大きなリスクがあります。
それは、「種の存続」。
つまり、生殖器が危険にさらされることです。

合成界面活性剤の多くは避妊具にも使用されるほど、
精子の殺傷能力があります。
ここ数十年、女性の月経異常、不妊症、早熟傾向、
早発閉経、男性の無精子症が急増しているのは、
有害化学物質の影響が最も大きな原因でしょう。

経皮吸収毒性による被害や影響ははっきり解明されてはいませんが、
「問題ない」とされていた合成化学物質が
有毒性を発揮することがはっきりしてきたことも事実です。

日用品、化粧品などにはびこる有害化学物質と
原因不明といわれる病気との因果関係が解明されるまで、
待つことの出来ない恐ろしい問題なのです。

「気付いたときは遅かった」といわれた
過去の苦い経験を繰り返すことのないようにしてほしいものです。


経皮毒性の危険性 
 痛みや刺激をほとんど感じないため、
皮膚から有害な化学物質を吸収している自覚がない。
 皮膚から吸収された有害な化学物質は、口から吸収されるものと違い、
自然代謝ではなかなか解毒されない。
 血液やリンパに乗って体内を巡るので、
体のあらゆる場所で悪影響を及ぼす可能性がある。
 経皮毒となる日用品の成分には、
環境ホルモンや発がん性を疑われている物質も多くある。
 日用品は毎日繰り返し使用するため、一回の吸収量は微量でも、
体内には有害な化学物質が徐々に蓄積しいてゆく。
 化学物質の吸収量、蓄積状態、排出量は個人差があるため、
その影響は様々で実態が掴みにくい。