日本の受動喫煙対策「先進国で最低レベル」


たばこの煙に寛容な日本社会の姿が、
「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」を批准した各国の報告書から浮き彫りになった。

 今や職場や公共施設だけでなく、
飲食店やバーでも「禁煙」が世界の潮流になりつつあるのに、
日本ではせいぜい「分煙」どまり。
対策がなかなか進まない現状に対し、
各国報告書を集計したNPO法人日本禁煙学会では
「日本は先進国の中で最低レベル」の烙印(らくいん)を押している。

 報告書は、FCTC事務局が条約批准から2年が過ぎた国に
どこまで対策が進んだかを自己評価させているもので、
これまでに日本も含め46か国が提出した。

 同学会のまとめによると、
受動喫煙対策について日本は、
官公庁、医療機関、教育機関、文化施設など
公共のいずれの場所でも「部分的に実施」と回答した。
しかし、世界の多数派の回答は「全面的に実施している」。
官公庁については30か国、医療機関は31か国が全面的に実施と答え、
日本のように部分的に実施と回答した国はいずれもその半分以下に過ぎなかった。


この記事は、2007年8月8日「読売新聞」のニュース記事です。



「たばこの煙にダイオキシンに似た毒性を持つ
化学物質が大量に含まれている可能性」



たばこの煙に、ダイオキシンに似た毒性を持つ化学物質が大量に含まれている可能性が高いことを、
北村正敬・山梨大教授らが突き止め、米医学専門誌に発表した。

喫煙者は肺がんなど健康を損ねるリスクが高いが、
このダイオキシン類似物質の作用が、
リスクを高める要因のひとつと考えられるという。

ダイオキシンは、細胞内の特殊なセンサー(受容体たんぱく質)に結合して
それを活性化させることで、がんや免疫異常などを引き起こす。
同じ受容体を活性化させる力があれば、
ダイオキシン以外の化学物質でも似た毒性を発揮する。

たばこにも微量のダイオキシンが含まれているが、
1日20本吸ってもダイオキシンの摂取量は基準値を超えないとされる。

北村教授らは、ある物質の中に、成分の種類を問わず、
ダイオキシンの受容体を活性化させる力がどの程度あるか測定する方法を開発した。
そして、日本のたばこ銘柄5種類を選び、煙の成分を抽出。
受容体を活性化させる力をダイオキシン量に換算した。

国が定めたダイオキシンの耐容1日摂取量は、
体重60キロの人で240ピコ・グラム(ピコは1兆分の1)だが、

換算値ではたばこ1本の煙で、
18・5〜51・2ナノ・グラム(ナノは10億分の1)と100〜200倍にのぼり、
ダイオキシンと類似した毒性を持つ化学物質が大量に含まれることを示した。




この記事は、2006年7月27日「読売新聞」のニュース記事です。



主流煙 有害物質名 副流煙
発がん物質
(ng/本)
20〜40 ベンゾ(a)ピレン 68〜136
5.7〜43 ジメチルニトロサミン 680〜823
0.4〜5.9 メチルエチルニトロサミン 9.4〜30
1.3〜3.8 ジエチルニトロサミン 8.2〜73
100〜550 N -ニトロソノルニコチン 500〜2750
5.1〜22 ニトロソピロリジン 204〜387
1700 キノリン 18000
32 ヒドラジン 96
1.7 2-ナフチルアミン 67
160 0-トルイジン 3000
その他の有害物質
(mg/本)
10.2 タール(総称として) 34.5
0.46 ニコチン 1.27
0.16 アンモニア 7.4
31.4 一酸化炭素 14 8
63.5 二酸化炭素 79.5
0.014 窒素酸化物 0.051
0.228 フェノール類 0.603


た ば こ の 害

喫煙者の死亡率 非喫煙者(1.0)と比較した喫煙者の死亡率(男)は以下のような統計があります。
 

クモ膜下出血 1.8倍      喉頭がん 32.5倍
食道がん 2.2倍         虚血性心疾患 1.7倍
口腔・咽頭がん 3.0倍     肝臓がん 3.1倍
肺気腫など2.2倍        肺がん 4.5倍
胃がん 1.4倍          胃潰瘍 1.9倍
膀胱がん 1.6倍         膵臓がん 1.6倍
他に子宮がん(女)1.6倍

 
家庭内喫煙者と幼児(3歳児)の有喘息様気管支炎率 母親が喫煙している場合、非喫煙者の母親と比べて幼児が有喘息様気管支炎にかかる割合が2.9倍も増えます。




た ば こ の 有 害


(1)喫煙状況

・喫煙者は男55.1%、女13.3%

・吸っていた者が禁煙をした理由は、「体調が悪くなったから」が最も多い

20歳以上の者について、喫煙状況をみると「現在吸っている」33.2%、「吸ったことがない」51.7%、「以前は吸っていたが、今は吸ってない」12.5%となっている。

性別にみると、現在吸っている者は男55.1%、女13.3%となっている。これを年齢階級別にみると、男では「30〜39歳」が、女では「20〜29歳」「30〜39歳」が最も多くなっている。(表13)

喫煙開始年齢を性・年齢階級別にみると、「20〜29歳」では男は「20歳未満」で、女は「20〜24歳」で吸い始める割合が多い。


(表13)性・年齢階級別にみた喫煙の状況  (単位%)


 年齢階級

総 数 現在すって
いる
現在すっていない 不 詳
総 数 吸ったことが
無い
以前は吸って
いたが、今は
吸っていない
総数 100.0 33.2 64.2 51.7 12.5 2.6
100.0 55.1 42.7 21.6 21.1 2.2
20〜29歳 100.0 59.5 38.4 32.2 6.3 2.0
30〜39 100.0 63.2 35.4 21.3 14.0 1.5
40〜49 100.0 62.2 36.4 16.3 20.0 1.5
50〜59 100.0 53.3 44.1 19.8 24.3 2.6
60〜69 100.0 45.9 51.6 19.2 32.4 2.5
70歳以上 100.0 35.4 60.9 19.9 41.0 3.6
再掲65歳以上 100.0 38.8 58.8 19.2 39.0 3.0
100.0 13.3 83.7 79.1 4.6 3.1
20〜29歳 100.0 17.9 80.6 75.9 4.7 1.5
30〜39 100.0 17.9 80.7 82.4 8.3 1.4
40〜49 100.0 16.1 81.9 77.9 4.0 2.0
50〜59 100.0 11.5 84.9 81.7 3.2 3.6
60〜69 100.0 7.6 87.7 84.7 3.0 4.7
70歳以上 100.0 6.9 87.4 83.0 4.4 5.7
再掲65歳以上 100.0 6.9 87.3 83.2 4.1 5.8


「現在吸っている」者のうち、禁煙をしたことが「ある」は39.8%、「ない」は58.8%となっており、禁煙をしたことが「ある」者について、再び吸い出した理由を性別にみると、「ストレス解消のため」は、男39.3%、女53.0%で女が多く、「まわりの環境により」は、男28.4%、女21.4%で男が多くなっている(図18、19)。

次に、「現在吸っている」者のうち、今後どのようにしたいと思っているかについて、禁煙経験の有無別にみると、禁煙経験ありでは「本数を減らしたい」が37.9%、禁煙経験なしでは「特に考えてない」が57.9%となっている(図20)。

一方、「以前は吸っていたが、今は吸ってない」者の禁煙理由をみると、「体調が悪くなったから」が34.5%で最も多く、次いで、「まわりの環境により」が13.8%となっている(図21)。


(図18)


(図19)


(図21)


(2)他人の喫煙に対する気持ち

・現在吸っていない者の約8割が他人の喫煙を迷惑と思っている

 他人の喫煙に対する気持ちをみると、「迷惑ではない」30.0%、「迷惑である」58.2%、となっている。これを、性別にみると、女では「迷惑である」が7割以上を占めている。

 他人の喫煙に対する気持ちを現在の喫煙状況別にみると、「現在吸っている」者は、6割以上が迷惑ではなく、「吸ったことない」者と「以前は吸っていたが、今は吸っていない」者は、7割以上の者が迷惑に思っている。

(3)喫煙に対する制限・禁煙希望場所

・制限・禁煙希望場所は「医療機関の待合室」が8割で最も多い

 喫煙を制限したり、禁煙とすることがよいと考える場所をみると、「医療機関の待合室」が80.8%で最も多く、次いで、「公共交通機関」61.0%、「公共施設の窓口やロビー」48.1%の順になっている。

 次に、喫煙の有無別にみると、「飲食店」「事務室」「銀行等の窓口やロビー」では喫煙を制限したり禁煙とすることがよいとする者が、吸っていない者は吸っている者の2倍以上になっている。


たばこの煙に含まれる有害物質について


たばこには有害成分がいっぱい

たばこの煙の4000種類以上の化学物質のうち、200種類以上は有害性が判明しています。
また、副流煙により多く含まれるものもあり、周囲への健康被害を引き起こす原因になっています。



主流煙と副流煙

主流煙:喫煙者が煙草自体を通して直接吸い込む煙で酸性。

副流煙:煙草の点火部から立ち上る煙。
    有害成分の量は主流煙より多く、アルカリ性で目や鼻の粘膜を刺激する。

このため、自分の意に反して煙草の煙を吸わされる受動喫煙が問題視されることとなる。





気相と粒子相

気相:フィルターを通過してしまう気体成分。
   一酸化炭素、窒素酸化物など。

粒子相:フィルターで捕捉できる程度の大きさの粒子成分。
    ニコチン、タール、ヒ素など。

有害物質

たばこの煙には現在分かっているだけで、4000種類以上の化学物質が含まれていることが判明しています。
そのうち有害であることが分かっているものだけでも
200種類をこえています。
なかでも、ニコチンタール一酸化炭素が三大有害物質といえます。



たばこ一本中の主な有害物質


有害物質名 主流煙 副流煙

発癌物質

(ng/本)

ベンゾ(a)ピレン 20〜40 68〜140
ジメチルニトロソアミン 5.7〜43 680〜820
メチルエチルニトロソアミン 0.4〜5.9 9.4〜30
N一ニトロソノルニコチン 100〜550 500〜2750
ニトロソピロリジン 5.1〜22 200〜380
キノリン 1700 18000
メチルキノリン類 700 8000
ヒドラジン 32 96
2‐ナフチルアミン 1.7 67
4‐アミノビフェニール 4.6 140
0‐トルイジン 160 3000

その他の
有害物質

(mg/本)

タール(総称として) 10.2 34.5
ニコチン 0.46 0.27
アンモニア 0.16 7.4
一酸化炭素 31.4 148
二酸化炭素 63.5 79.5
窒素酸化物 0.014 0.051
フェノール類 0.228 0.603




厚生省編:喫煙と健康問題に関する報告書第2版より改変


3大有害物質

ニコチン・一酸化炭素・タールは3大有害物質といわれ、発癌、発癌促進、毒性物質が含まれ、動脈硬化の促進作用があることがわかっています。


ニコチン


 たばこの煙の粒子相に含まれているニコチンは精神作用をもつ物質で、また
「毒物及び劇物取締法」に明記されている毒物でもあります。
ニコチンの作用は脳(中枢神経系)のほかに、胃の収縮カを低下させ、吐き気や嘔吐を起こしたりします。
 また心臓・血管系には急性作用があり、血圧上昇、末梢血管の収縮、心収縮力の増加などがみられます。
 体内に吸収されたニコチンは代謝され,コチニンなどになります。
 ニコチンは有害物が入らないように設けられた脳の関門を容易に通り抜けることができ、脳内の報酬系(脳に快楽をもたらす部位)に作用することがわかっています。
このことがたばこ依存につながるものと考えられています。
 
ニコチンの毒性は青酸に匹敵するといわれており、中毒量は1〜4mg、致死量は30〜60mgです。
 1本のたばこには10〜20mgのニコチンが含有されており、個人差もありますが、喫煙一本あたり3〜4mgが吸収されます。
 急性ニコチン中毒のほとんどが、乳幼児のたばこの誤食により起こっています。乳幼児の場合、致死量は10〜20mgですから、
1本のたばこを誤って食べてしまうと死亡する可能性があります。



一酸化炭素

 たぱこの煙の気相に含まれている一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結合するとカルポキシヘモグロビンになります。
 へモグロビンは身体のすみずみに酸素を運ぷ仕事をしていますが、一酸化炭素とヘモグロビンの結合は酸素の240倍と強力なため、一酸化炭素が体内に入るとヘモグロビンの酸素運搬能力を低下させ、
全身的な酸素欠乏を引き起こします。
 1本のたぱこの喫煙でカルポキシヘモグロビンはl〜2%増加するといわれています。その分、酸素欠乏を招いているわけです。
 たぱこの煙の一酸化炭素により、虚血性心疾患、末梢動脈疾患、慢性呼吸器疾患、さらに妊娠時の胎兄への影響などが心配されます。



タール

 喫煙時に生ずる夕一ルは有機物を熱分解した際に生まれるものですが、その中にはベンツピレンなど数多くの
発がん物質が含まれています。
 すでにわかっている発がん物質の多くはDNAを直接障害するものです。夕一ルはとくに呼吸器系の疾患やがんと関係が深いと考えられています。



喫煙と疾患


 喫煙により発症のリスクが増大すると考えられる疾患を喫煙関連疾患と呼んでいます。

 喫煙の害というと、肺癌と考える方が多いと思います。しかし、肺がん以外にも口腔癌、喉頭癌、食道癌、胃癌など、多くの癌のリスクを高めています。
 また、癌以外にも循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、精神疾患、産婦人科疾患、代謝疾患など身体のあらゆる部位の疾患に影響しています。
 二コチンにより、心拍数の増加、血圧上昇、末梢血管の収縮などがおこり、循環器疾患の引き金になります。心筋梗塞などの虚血性心疾患発生率の研究では、1日20本をこえる
喫煙者は非喫煙者に比べ3.2倍という報告があります。
 喫煙する妊婦は低体重児の出生、早産などの頻度が高いこともわかっています。また、喫煙は身体の免疫力を低下させ、老化を促進するといわれています。このほか、喫煙者は自覚していなくても、吐き気や咳、頭痛などの原因になっていますし、疾患の原因だけでなく、それをより増悪させる働きもあることを忘れてはなりません。


喫煙関連疾患

喉頭癌:33倍,肺癌:5倍,食道癌:2倍
呼吸器疾患 肺気腫,慢性気管支炎,喘息
循嫌器疾患 狭心症,心筋梗塞,高血圧症,動脈硬化,末梢楯環不全
消化器疾患 胃・十二指腸潰瘍,逆流性食道炎
精神疾患 ニコチン依存症
産婚人科疾患 早産,流産,周産期死亡,先天奇形
代謝疾患 糖尿病,骨粗鬆症
神経疾患 脳梗塞,脳萎縮,パーキンソン病,聴力障害
歯料疾患 歯周炎,ロ内炎,口臭



 その他にも、免疫機能低下により、
アレルギー性疾患をひきおこしたり、創傷治癒の遅延をきたしたりもします。また、低酸素による運動能力の低下、血管収縮・ビタミンC破壊による皮膚温低下やしわの増加など美容にも悪影響をおよぼします。寝たきり状態の促進もいわれています。


呼吸器疾患

 たばこの煙の急性影響として、気管支平滑筋を収縮させる作用がある。たばこl本の喫煙による気道抵抗の上昇から回復するのに20分以上の時間を要することが報告されている。

 喫煙本数が増えるほど、咳、痰などの症状がでやすくなることは明らかで、喫煙が慢性気管支炎肺気腫などの呼吸困難を伴なう慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因になっていることは疑う余地がないといわれている。たばこの煙に含まれる窒素酸化物やアルデヒドなどのさまざまな刺激物質の慢性的な作用がこうした症状をもたらすと考えられている。

 戦前、肺結核は国民病といわれたが、現在は死亡順位の10位以内にも入っていない。これとは対照的に、戦後、日本において急散に死亡率が増加して間題となっているのが肺癌である。肺癌は喫煙と最も関連の強い疾患と考えられており、喫煙と肺癌の関連性をうかがわせる膨大なデータが積み重ねられている。
 また、世界各国から受動喫煙により肺がん死亡リスクの高まることを示す研究報告も相次いでおり、家庭内はもとより職場等における受動喫煙が間題になっている。



循環器疾患

 たばこが燃えると必ず一酸化炭素が発生する。
 肺から取り込まれた酸素は、血液中のへモグロピンと結びついて全身に運ばれるが、一酸化炭素はこのヘモグロビンとの結合が酸素よりも240倍も強いためにヘモグロピンを先取りして酸素の運搬を妨害し全身的な酸素不足を起こす。ニコチンやタールはフィルターである程度除去できるが、一酸化炭索は
どんなフィルターも通り抜けてしまう
 喫煙直後の心臓や血管の変化を調べた結果、血圧は収縮期血圧・拡張期血圧ともに上昇する。心拍数も急激に上昇する。そして、血管収縮の結果手足の皮膚温度は低下する。
 これは、若者が10kgの荷物を下げて歩くのに相当する負担になり、「一服」からはほどとおいことが分かる。

 循環器疾患の中で、喫煙と最も関連が強いと考えられているのが、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患である。虚血性心疾患は、心臓自身に血液を補給している冠動脈の内腔が狭窄してしまうために起こるが、喫煙習憤は動脈硬化を促進させ、血管を収縮させる。たばこの煙の有害物質のうち動脈硬化を起こす主犯は一酸化炭素であると考えられている。
 喫煙習慣に高コレステロール血症や高血圧が重なると、さらに虚血性心疾患が起こりやすくなることから、これらを
虚血性心疾患の3大危険因子と呼んでいる。
 最近は、受動喫煙と虚血性心疾患との関連も明らかにされ、注目を浴びている。



消化器疾患

 たばこを吸うひとには、胸やけを訴える人が多い。胸やけが起こるのは、胃・食道の括約筋がゆるんで、酸性度の強い胃液が逆流するからである。また、たばこを吸うと、幽門すなわち胃が十二指腸に接する部分の括約筋を弛緩させることが証明されており、喫煙によって十二指腸液の胃内への逆流が起こるものと推測される。とくに1日30本以上のヘビースモーカーでは、胃内逆流の例が非喫煙者よりもはるかに多いという報告がある。

 胃粘膜には毛細血管がはりめぐらされており、この血流が障害を受けると胃潰瘍にかかりやすくなる。わずか3服の喫煙によって常習喫煙者で約20%、非喫煙者では50〜70%もの血液量の低下がみられる。一服のたびに起こるこうした血行障害は、粘膜の防御力を抵下させて潰瘍を誘発する。
 喫煙者は非喫煙者にくらべて消化性潰瘍にかかりやすく、喫煙本数が多いほど死亡率が高いという調査報告がある。また、喫煙は
消化性潰瘍の治療効果を低下させたり、再発を増加させたりすることが分かっている。禁煙できなかった人の胃・十二指腸潰瘍再発率は約50%と、禁煙した人の約20%にくらべてはるかに高率であることが報告されている。


未成年者の喫煙問題

入門薬物(ゲートウエイドラッグ)

未成年者の喫煙のきっかけで最も多いのは、家庭のたばこです。動機は好奇心や、「ただなんとなく」「友人に勧められて」がほとんどです。法律で禁止されている行為であるにもかかわらず、これらを大した理由なく乗り越えてしまうことにより、社会的規範意識の低下とモラルの低下が加速し、麻薬・覚せい剤・万引き・窃盗や性的逸脱などに対する抵抗力がなくなり、容易にこれらを行いやすい傾向があることが指摘されています。このため、タバコは麻薬や覚せい剤への入門薬物ともいわれています。 子供たちに健全な環境を提供してゆくことは私たち大人の責任です。


未成年喫煙者の特徴

成長過程にある子供たちへの発がん物質や有害物質から受けるダメージが大きい。
喫煙開始年齢が低いほど発癌、心筋梗塞などで死亡する率が高い。
短期間でニコチン依存が形成されやすい。


未成年喫煙者への対応

未成年喫煙者には、ニコチン依存症としての治療がまず必要です。それとあわせて、喫煙に至った経緯を振り返り、さまざまな知識や情報を学び取る能力と、誘惑に対する社会的スキルを身につけなくては問題の根本解決にはなりません。
大人の喫煙者にも共通する問題ですが、ストレスは絶対に避けることができません。さまざまな障害や困難に出会ったときにどのように対応してゆくのかが非常に重要な問題で、禁煙はそうした判断基準に基る選択行動の一部に過ぎないのです。


女性の喫煙問題



喫煙は卵巣機能に影響を与えるのをご存知ですか? 
子どものこと、次世代のことを考えたらきっぱりやめることをおすすめします。
喫煙が女性の体に与える影響を説明します。


妊娠・出産に与える影響

胎児発達遅延・早産・胎盤関連合併症・前期破水・早期破水・周産期死亡・
子宮外妊娠・母乳分泌の減少・・

胎児に与える影響

口唇口蓋裂・四肢欠損・泌尿生殖器奇形・神経菅欠損・ヘルニア
その他 注意欠陥障害や多動性、犯罪率などとの関連も言われています。

SIDS(乳幼児突然死症候群)

胎児肺の構造上の問題、無呼吸・低酸素に対する神経伝達の障害、睡眠・覚醒に関する発達障害などが考えられています。

子宮癌
子宮頸がんは、喫煙との因果関係が明らかになっている。HPV感染者の中でも、喫煙者は特に癌浸潤を起こしやすい。また、喫煙は膣ない環境へも影響し、細菌性膣炎の増加やSTD(性感染症)への抵抗力が減弱すると考えられています。
経口避妊薬との併用
喫煙と経口避妊薬併用で、血栓症は増加する。また、わが国では、35歳以上で、1日15本以上の喫煙者への低容量経口避妊薬投与を禁止してます。
不妊治療
喫煙は男性の生殖能力を衰えさせ、不妊治療による卵胞刺激周期において得られる成熟卵胞数は、喫煙者において少ないことがわかっています。
骨粗しょう症
喫煙による女性ホルモンのエストロゲンの低下により骨粗しょう症を引き起こすことがわかっています。


女性とたばこ

喫煙と女性
たばこと癌との関係で言うと、女性も男性と同様に多くの臓器の癌発生と関係はしていますが、女性の場合は子宮ガンとの関連も心配されています。非喫煙者との子宮ガンの死亡確率を比較すると、約1.6倍も高くなる事が明らかになっています。世界的に見れば喫煙率は減っているようですが、女性の喫煙率は増加の一途であると言われています。
喫煙は今、女性の間で重要な問題となっています。
若い女性の喫煙率
20才台の女性の喫煙率は昭和40年度が6.6%、平成13年度が24.1%であり、ここ40年足らずで約4倍増加しています。平成13年度では、約4人に1人が喫煙していることになります。
■■日本の喫煙率■■
日本の喫煙率

男性の喫煙率は30年間で約26%も減っている事がわかります。

女性全体の喫煙率も減少傾向にあるのですが、20代の女性の喫煙率は同じような動きを見せません。むしろ増加傾向である事が読み取れます。妊娠や出産を経験するであろう、もしくは経験済みの多くの若い女性達は、4人に1人の割合でたばこを吸うという実態が明らかになりました。


生殖・妊娠・出産への悪影響

 妊娠

妊娠しにくくなります。

子宮外妊娠しやすくなります。

早産や自然流産が非喫煙者の1.5倍ほど増えます。

 妊娠中の喫煙

胎児死亡や死産、出産後すぐに胎児が死亡する確率が高くなります。

喫煙は未熟児誕生の原因にもつながります。これは喫煙によって胎盤や胎児への血管が細くなってしまうので、胎児に十分な栄養や酸素が届かなくなるために起こります。

 産後

出産時の胎児の体重が非喫煙者と比べて200g〜250g少ない。知能や発達の遅れ、発育にも影響します。

母乳には血液中の約3倍に濃縮されたニコチンが含まれているためにニコチン中毒になってしまっている新生児もいる。夜泣きをしたり、不機嫌になったりするニコチン切れの症状を表すケースがあります。


たばこは美容の大敵

たばこを吸うと血管が収縮し、血行が悪くなったり、またメラニン色素の代謝に関係するビタミンCを体内で消費させたりと肌が荒れたり、シミ・ソバカスになりやすくなります。
たばこは口臭や歯肉へのメラニン色素の沈着、歯槽膿ろうの原因にもなるのです。真っ白い歯はたばこのヤニによって、その美しさを奪われてしまいます。
卵巣機能への影響、末梢組織の酸素不足、ビタミンC分解促進などにより皮膚のしわやしみが増えます。
頭髪の変化(脱毛や白髪)、口唇の乾燥、歯周病による口臭、多毛など女性にとっては深刻な美容上の問題を引き起こしているのです。


男性への悪影響

ED(勃起障害)
日本ではほとんど知られていませんが、喫煙はEDの直接的・間接的な原因になり得ると報告されています。(2004年英国医師会)喫煙によるペニスの血流障害により、EDのリスクは50%増加し、50歳以上のEDに限れば、喫煙者が8割とも言われています。

喫煙が薬の効果に影響する

タバコの煙の中には約4000種類の化学物質があり、その中にはくすりに効きめを弱めたり、効きめの持続時間を短くしたりする成分が含まれています。
その成分が肝臓にある薬物を分解する酵素を活性化して、タバコを吸っていない人によりも早くくすりを分解してしまうのです。
しかも、1日20本以上数う人はそれより少ない人に比べて、くすりへの影響がより頻繁に起こる傾向にあるといわれています。
例えば、解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)や喘息の薬(テオフィリン)、降圧薬(プロプラノロール)、精神安定剤(ジアゼパム)は効きめが弱くなります。
また、タバコの成分自身のために、種々の成人病(狭心症、高血圧症、脳動脈硬化症など)や胃・十二指腸潰瘍に直接悪影響を及ぼします。
タバコは、「百害あって一利なし」。
せっかく治そうとしてもタバコのためにだいなしになっていることのないよう、禁煙をお薦めします。


周術期の影響について

手術侵襲そのものに影響がある
組織の挫滅、傷や炎症が起こり、大量の輸液や輸血、薬物が体内に入ります。長時間外気にさらされた組織や内臓には大きな負担がかかります。

人工呼吸器を使用する
全身麻酔の場合は、人工呼吸器を使用するため肺や気道に負担がかかります。痰や分泌物が多いと肺炎や無気肺の原因となります。呼吸機能が著しく低下している場合はしばらく人工呼吸をしなくてはならない場合もあります。長期にわたる場合は、気管切開の可能性もあります。
長期臥床
寝ている時間が長くなります。無気肺や肺炎の原因になります。また、血液の循環が悪くなり褥創や血栓のリスクが高くなります。
喫煙による合併症増加
呼吸器合併症…再挿菅、喉頭痙攣、気管支痙攣、誤嚥、低換気、低酸素血など
心合併症 …狭心症、心筋梗塞、不整脈、心合併症による死亡率の上昇
脳・神経合併症…脳梗塞、脳出血
消火器合併症…消化管出血、消化管潰瘍
創部感染症
薬の代謝性変化…薬剤効果の増減による効果の不安定
その他…免疫機能の低下、術後感染、肺炎、病気の進行

必要な禁煙期間
術前4-8週間以上で周術期におけるリスクを減少させることができます。
呼吸器合併症 4-8週間以上で改善
創傷治癒障害 3週間以上で改善

喫煙本数を減らすだけでは効果がなく、完全禁煙で術後合併症を優位に減少させることができることがわかっています。
また、禁煙のストレスは術前のストレスには影響を与えないという報告もありますので安心して禁煙していただけます。
ただし、術前のニコチンパッチの使用については合併症の報告もあり、使用を制限することがあります。



やっぱりタバコは体に悪い影響を与えるようです。

日本はまだまだタバコを吸う人が多く、

最近は女性の若年層での喫煙率が上昇しているとか・・・。

タバコは美容上の害も報告されていますから、

綺麗になりたい女性、健康を保ちたい人は

タバコに手を出さないことが得策のようです。

既に喫煙者の人は禁煙、それが無理なら減煙しましょうね。


一人一人の努力と気遣いで、

未来の地球環境と子どもたちを守ろう



世界各国のタバコへの取り組み方


EUや各国のタバコパッケージの警告表示